直木賞受賞作
★★★★★
想いを残したまま生まれ変わる命。「瑠璃」という名の少女は生まれ変わり、最愛の相手を探す。ただし相手は通常通り年練を重ねている。この「命」たちは交わることができるのか。いや、それはおそらくできないのだろう。「思いを残して」いることに意味があるのではないか。小山内、正木、三角という3人の男性。そして「瑠璃」。これらのエピソードは時代背景に埋もれがち。しかし、後半で、小山内の亡き妻・梢が「みずき」となって生まれ変わっているのでは、という疑念が小山内を襲う場面が最も迫力があった。この後の3人の関係はどうなるのか。