「生活と感覚に結び付いた建物を設計するには、形や構造の枠を超えて考えなければならない」。1998年の出版からまもなく品切れとなり、長らく入手困難になっていた著書『Thinking Architecture』のなかで、ピーター・ズントーはそう語っている。その第2版となる本書は、「Does Beauty Have a Form?（美に形はあるか？）」「The Magic of the Real（リアルのマジック）」「Light in the Landscape（風景のなかの光）」と題した3本のエッセイを新たに収録している。また、著名タイポグラファーのハンネル・グロンルンドによりデザインが一新されているほか、ローラ・パジェットが新版のために撮影したハルデンシュタインにあるズントーの新居兼スタジオのカラー写真が全編にちりばめられている。ズントーは『Thinking Architecture』のなかで、さまざまな形で人間の感情や理性に訴えかける建物、そしてパワフルで独特な存在感と個性を持つ建物を設計したいという意欲を語っている。