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新ゴーマニズム宣言スペシャル脱正義論

価格: ¥1,121
カテゴリ: 単行本
ブランド: 幻冬舎
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想像のつく結末 ★★☆☆☆
何の罪なくHIVに感染した子供たちの姿を見て、
世論を動かすため被害者支援を買って出たが、
運動は左翼系組織に乗っ取られ、
学生たちは事件が終わっても「運動」を離れようとせず、
川田親子に至っては皆様ご存知の有様…というお話。

結果的に善意を利用された著者の怒りはよくわかります。

しかし、この手の「運動」が左翼系組織のプロパガンダに利用されることは、
運動を始める前から容易に想像がつきそうなものです。
薬害以前にもそのような例はいくらでもあったでしょう。
「弱者」と名の付くものを見逃さず利用して漁夫の利を得るのが彼らです。

著者は良くも悪くも純粋だったのでしょうが、
多くの読者が著者の姿を見て「運動」に参加し、
いつの間にか左翼に洗脳されていった可能性を考えると、
世間を煽るならもう少し勉強してからにしてくれよ、と思ってしまいます。

著名で多忙な著者と違って、学生たちは何の刺激も無い生活の中で、
「生き甲斐探し」で運動に参加したのだと思います。
何もない「日常」から逃避して仮想の敵と戦って満足していた学生が、
日常に戻ることを拒むのは当り前で、
こんな運動に学生を巻き込んだ時点でその結末は避けられなかったように思います。
著者は漫画家でありながら、あまりに当時の若者の実態を理解せず、
買いかぶってしまったように思います。
正義の闘ひの向う側にある切実な生の訴へ! ★★★★★

今から十三年前に初めて本書を読んで、胸震へるやうな感動を覚えた。それから、何人に本書を貸し、もしくは買って差し上げたか?多分十人は下らないだらうし、推薦だけなら何十人となるだらう。
今回、またこの「脱正義論」を知り合ひに差上げようと思ひ、改めて読み直したわけである。やはり、手応へ十分の書と言へる。大学等で少しでも催しや文化活動をした事がある人なら、一度は考へるだらう題材が本書には満ち満ちてゐる。自分は何故この活動(各人の頑張ってゐた)をしてゐるのだらうと思った時の自分を思ひ出して読むのもいいかもしれない。
本書は、筆者小林よしのりが様々な流れから真剣に関はり闘ったエイズ薬害訴訟運動の総括の書である。エイズ薬害訴訟の原告は、血友病から薬害によってエイズにかかってしまった少年、青年達である。エイズ患者の血が混入してゐる非加熱製剤を使用した事から起きた事件である。問題の非加熱製剤が日本で売られてゐたのは、製薬会社、医者、厚生省のそれぞれの思惑から起きた不祥事であり、裁判の進行中も次々原告が亡くなって行く隘路に陥ってゐた。筆者は原告の少年達からの達ての願ひで代表となり、闘ひの前線に立ったわけである。この闘ひは、筆者を始めとした多くの人々の力によって奇蹟のやうな展開で国、製薬会社の全面謝罪で解決する。
それで、めでたしめでたしと終ってもいい筈なのだが、運動に関はった正義の味方に淫した者の堕落、陶酔が始まる。彼等に対する筆者の真率な訴へが本書の基調となってゐる。私達は如何なる生を歩むべきなのか?熱い、それでゐて、常識とでも言へる全うなメッセージを私達は読んで行く中で見つけられるだらう。
大傑作 ★★★★★
運動とかかわり、失望する過程が当事者の視線でリアルに書かれている。
本当に奇跡的な本である。


川田龍平を絶対正義と今でもあがめている人々からの評判はもちろん芳しくないが・・・。
そういう人達もこの本をよんでどこか運動に違和感や警戒感をもてたのではないだろうか。
小林よしのりに取っての「やらねばならなかった戦い」 ★★★★★
「戦争論妄想戦」という本で、当時の宮台真司氏が、
「こういう帰結になるのは当たり前なのに、そんな事も分からずに
運動参加したのが理解しがたいですね。」と、批判している。

 宮台氏だけではなく、温かく見守る側にしろ、批判者にしろ、
こうした意見は当時からあり、作者自身も、
無限運動の危険は最初から気付いていた。

 しかし、答えはその後の作者の言葉で終わる。
「なら、お前がその当時、何が出来たんだ?」

「運動は無限運動に至るのが当たり前なんだよ。何でこんな事したんだ。」

「なら、子供を見捨てていいのか?」

 作者は、「子供に小遣いをもらって食わせてもらった。
マンガを描くことで、一緒に遊んできた。
だから、この運動をやらなければならなかった」と言う。

 売れていれば、人格まで認められていると勘違いし、
過去に提供したものへの責任など考えない人間は多く、
私自身、そういう人間を多く見ていて、表現者への信頼を失っていた。

読者のことを忘れていないこと。
これを言った事は素晴らしい。例え表層だけとしても評価は変わらない。

情という物は、つくづく論理からは生まれないのだろう。
「権力/反権力」の二項対立図式に風穴 ★★★★☆
 この時期のよしりんは輝いていました。
 「被害者」「弱者」を批判することは、良心的な人であればあるほど難しい。それだけに「弱者」の立場を利用すれば、ほとんどの批判を封じる強大な権力を振るうことも可能になる―薬害エイズ訴訟の支援運動に携わって得た経験から、著者は「弱者権力」という逆説的な概念を示しました。これによって「権力/反権力」「強者/弱者」の安易な二項対立図式に風穴をあけ、「弱者の立場」に潜みうる権力性をあぶり出したことはよしりんの確かな功績です。ある左翼系の論者は「弱者権力」など矛盾概念で理解不能、と批判しましたが、これはむしろ、まともに理解すると自分たちの立場の正当性がぐらつくから、理解できないことにしている、とさえ思えます。
 けれども、「弱者権力への批判」は、ともすれば文字通りの弱者バッシング、「反権力はいかがわしい」という権力側の論理に転化しうる危険性をもっています。その後のよしりんの動向を見るにつけ、彼自身がこの陥穽に落ちていったような気がするのは私だけではないでしょう。最近では多少なりともバランス感覚は取り戻しつつあるとは思いますが。