金正日の私生活を語れる世界で唯一の証言者
★★★★★
北朝鮮で金正日専属の寿司職人だった著者による証言録。同じ著者の本はこれまでに2冊出ているが、この本が一番内容的に濃いと思う。
日本人歌手を平壌に呼んだ時にはバレないように後ろに隠れて”偽装”したとか、トイレの臭いも香水もとにかく臭いは全部嫌いだとか、おやつはいつも3時に食べるとか、自国の「喜ばせ組」には絶対に手は出させなかったが東欧あたりから女性を呼んで接待させていたとか、どうでもいいけど文字通り知られざる私生活がたんたんと綴られる。米CIAでも韓国の国家情報院でもここまでリアルな内部情報は知りえなかっただろう。
実際、”将軍様夫人”高英姫は乳がんではなく脳梗塞で亡くなったのではないかという新説や、韓国のニュース発でスクープされた愛人「金玉」もこの本がネタ元になったんじゃないか?
独裁者にとって、自分の私生活をバラされることほど許しがたいことはない。将軍様も、さぞ苛ついていることだろう。