甲斐犬の神髄、ここにあり。
価格: ¥1,620
凛として勇猛果敢、一生一主の頑固一徹…縄文の里、甲斐の国が育んだ古風一筋の日本犬「甲斐犬」。本書は、甲斐犬の生き字引と呼ばれた祖父の厳しい指導と薫陶を受けながら、「理想の甲斐犬の姿と形」を追い求めてきた著者の七十余年に及ぶ甲斐犬作出の実践の粋を集めた記録である。 〝甲斐犬飼い五代目〟により、甲斐犬の知られざる真実が公開される。
(著者メッセージ)「駆け出しの頃、師匠にいわれたこの言葉の意味が、近頃ようやく身に沁みてわかってきました。甲斐犬は「甲斐のこの野山で生きる」と決めた犬だったんだ、と。ここをふるさとに選んだ犬だったんだ、と。」甲斐の地犬、甲斐犬は、まさしく縄文の里〝甲斐の国〟が育んだ、古風一筋の日本犬なのです。
【雨宮精二プロフィール】 昭和12年(1937)、山梨県西山梨郡玉諸村(現在の甲府市)生まれ。生家は代々の〝ブチ毛飼い〟農家。著者は数えて五代目の〝甲斐犬飼い〟。ブチ毛、甲斐犬の生き字引と呼ばれた祖父(故・雨宮久雄氏)の厳しい指導と薫陶を受けながら、二人三脚で「理想の甲斐犬の姿と形」を追い求めてきた。甲斐犬の有り様にさまざまな影響を与える飼育法、配合法に関する詳細な研究と、これまでの甲斐犬史においてほとんど語られることのなかった「ブチ毛の姿がそこかしこに見られた昭和前期の旧甲州街道沿いの風景」についての言及も、天然記念物甲斐犬の前史に新たな事実を加えるものとして、注目される。これまで手がけた甲斐犬の作出頭数は三百五十余り。天然記念物甲斐犬の正式な作出者であることを示す犬舎名は「高畑犬舎」。天然記念物指定甲斐犬愛護会会員。
【甲斐犬プロフィール】甲斐犬の祖は、地元甲府盆地や周辺の山岳地帯で古くから優秀な猟犬として大事にされてきたブチ毛(地元での代表的な呼び名のひとつ)。昭和初期の旧甲州街道沿いや周辺でも猟犬や番犬として活躍していた様子は本書に詳しい。他の日本犬には見られない複雑な虎班模様を持つ中型犬で、猟犬としての優秀さ、一生一主人の気質など、日本犬の美質が凝縮されていると、専門家筋、一般の日本犬愛好家を問わず高く評価されている。天然記念物指定以後は、天然記念物指定甲斐犬愛護会が中心となって、血統書の発行や展覧会の開催などの保存保護活動を行っている。