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グーテンベルクの謎―活字メディアの誕生とその後

価格: ¥2,205
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
教科書には載っていないグーテンベルク ★★★★☆
 グーテンベルクは知人フストから出資を受け活版印刷を始めるが、そのフストに借金返済を迫られ、印刷機を持ち出されてしまう…。すこし詳しい方なら、グーテンベルクのそんな不遇の人生を耳にしたこともあるのでは。
 
 この本は前半のグーテンベルクにまつわる謎についてと、後半の活版印刷術が世界に与えた影響についてのふたつに分かれる。
 興味深かったのは、やっぱりグーテンベルクの謎の生涯について。彼が活版印刷の発明者といえるのか。本当に不遇の生涯だったのか。フストやシェーファーなどグーテンベルクを取り巻く連中はどんな人物だったのか。いまも研究されているそんな話を、豊富な文献資料によって紹介する。
 断定的な結論は少ないけれど、豊富な資料により謎解きの材料をたくさん与えてくれる。学校の教科書では見過ごされてしまうサイドストーリーこそ味わい深いものだ。

 しばしば取沙汰されるのは『42行聖書』。1ページ42行からなるこのインキュナビュラは、15世紀に始めて活版で印刷された聖書とされ、グーテンベルクが印刷に深く関わっているとされる。
 180~200部しか刷られなかったこの稀覯書中の稀覯書を、1987年に丸善がオークションで落札した。そしてそれを1996年に慶應大学が購入し、解析などの研究を進めている。著者はこの「HUMIプロジェクト」の稀覯書研究チームの担当であり、『42行聖書』にとても近い人物だ。

印刷術の発明からデジタル化まで ★★★★★
金属による活字を作って印刷術の創始と発展に寄与し、世界に大きな影響を与えたグーテンベルク。しかし、記録が裁判の資料などで量的に乏しく、諸説あり論争は絶えない。

福澤諭吉のすすめで創業したという、慶應と縁深い丸善が競り落としたグーテンベルク聖書を慶應大学が買ったのは96年のことである。貴重書を傷めず研究出来るようにし、容易に本どうしの比較が行えるように、本をデジタル映像化するHUMIプロジェクトを率いる高宮教授ならではの本。写本の歴史や、中世の大学教科書について触れたあと、印刷の発明に関する諸説を分かり易く解説する。
ほかに、印刷時代の写字生のゆくえ、イギリスでの印刷(キャクストン)、禁書目録などについて。

本好きなら、是非! ★★★★★
15世紀中葉、グーテンベルクによって発明された「活版印刷術」は、ヨーロッパにどのような展開を与えたのか。また、発明の背景にあったものは?

「活版印刷術」の黎明期・発明前夜に関する幅広いトピックを、グーテンベルクが印刷した「42行聖書」を中心に、14のエッセイで綴る。終章には、マルチメディア時代(=現代)の話題として、「42行聖書をはじめとする稀覯本のデジタル化」も。

とにかく面白い。

写本、インク、印刷方法、出版、宣伝…「活版印刷術」前後に関する広汎なトピックを扱っているが、書誌学の専門的な知識を持ち合わせていなくても、本好きなら飽きることなく読めるだろう。

慶應義塾大学『HUMIプロジェクト』のホームページで、デジタル化された「グーテンベルク42行聖書」を眺めながら読むのもよし、東京 飯田橋にある 『凸版印刷 印刷博物館』 へ現物(一葉のみ)を見に行く際に携行するもよし。
…良い本は、様々な楽しみかたを想像させてくれる。

本好きなら、是非! ★★★★★
15世紀中葉、グーテンベルクによって発明された「活版印刷術」は、ヨーロッパにどのような展開を与えたのか。また、発明の背景にあったものは?

「活版印刷術」の黎明期・発明前夜に関する幅広いトピックを、グーテンベルクが印刷した「42行聖書」を中心に、14のエッセイで綴る。終章には、マルチメディア時代(=現代)の話題として、「42行聖書をはじめとする稀覯本のデジタル化」も。

とにかく面白い。

写本、インク、印刷方法、出版、宣伝…「活版印刷術」前後に関する広汎なトピックを扱っているが、書誌学の専門的な知識を持ち合わせていなくても、本好きなら飽きることなく読めるだろう。

慶應義塾大学『HUMIプロジェクト』のホームページで、デジタル化された「グーテンベルク42行聖書」を眺めながら読むのもよし、東京 飯田橋にある 『凸版印刷 印刷博物館』 へ現物(一葉のみ)を見に行く際に携行するもよし。
…良い本は、様々な楽しみかたを想像させてくれる。