グーテンベルグといえば、大抵の人は「活版印刷を発明した人」として暗記した名前に過ぎないのではないでしょうか。私も、恥ずかしながら、それだけしか知りませんでした。

しかし、この本は、冒頭。いきなり、訴訟で負け、20年以上かけて作ってきた発明と全ての仕事を取り上げられる、という衝撃的なシーンで、私達を彼の人生に引き込みます。
謎に満ちたその生涯、そして人間の歴史を変えた大発明に光を当てる・・・・

書物が好きな人は、必ず読んで欲しい素晴らしい本。

日本で出されている伝記は、表紙がアニメのような絵だったり、背表紙はなぜ
か真っ赤な太字だったり、どうも落ち着きの無い出版物である。
この伝記シリーズは、翻訳ものであるせいもあってか、シンプルな装丁で、
本当に子供～大人まで十分楽しめるきちんとした内容だ。
グーテンベルクは、火薬の発明などとともに世界に多大な影響を及ぼした、

活版印刷の創始者ということで重要である。写真や図版、資料も豊富に使われ
ており、当時の本とはどんなものだったのか、そして、活版印刷がどのように
つくられていったのか、現在に至るまでどのように発展してきたのかがとても
よくわかる。字がすごく大きくて読みやすいのはもちろん、専門的知識も意外

と学ぶことができる。また、上述のように図版も多いので、見ながら理解を
深めることができる。子供はまだ習ってないような知識も出てくるが、ちゃん
と注がついているのが良い点。