意外に役立つのは、見出し語のうちで黙字に相当する部分のアルファベットが、薄い色で印刷されていること。黙字が含まれていることが一目瞭然なので、思い込みで誤った発音を覚えてしまう、という失敗を防ぐことができる。
すっきりして使い良い本書ではあるが、反面、語義の説明は、単に「単語の言い換え」レベルにとどまっているふしがあるように感じられる。このため、語感などをきちんと理解しようとすると、やや物足りなく思えることもあった。
例えば、assert の項の第一義は、本辞典では「〔・・・と〕断言する」となっているが、もう少し上級向けの辞書、例えばスーパーアンカー英和には「(客観的な根拠はないが)(自信を持って)・・・を断言する」と出ている。同じ「断言する」でも、後者のほうはニュアンスがよくわかる。
このような「語の本質」に関わる部分の記述は、見易さ重視の辞書ではあっても、もう少し充実させても良かったのではないかと思う。
また、クロス・リファレンスが少ないのも気になった。
本辞典には、似た単語の用法などを比較するコラムが多数掲載されている。しかし、そこで取り上げられている単語を引いても、そのコラムの頁を参照せよ、との指示がない場合が多いのである。これでは、せっかくコラムが載っていても、その存在にすら気づくことができない。
こういった弱点はあるものの、本書の持つ読み易さ、親しみ易さはその弱点を補って余りあるものであり、小難しい辞書は嫌いだと考える学習者にとって、十分に魅力的な辞書であると思う。
いままで他の中辞典を使っていたが、あえてやさしめのこの辞書に
切り替えて辞書をひくストレスが大分減った。
語法などはジーニアスのような学習辞典に劣るが、それでもおすすめしたい。
この辞書に載ってない単語は時事用語か細かい単語だとおもうので、
類推する練習にもなるとおもう。
中学生ぐらいでも発音にカタカナが振ってあるので使えるし、
社会人でも使えるというのはありがたい。
多くの高校生・浪人生はジーニアス英和辞典もしくはそれ以上の規模の辞書を使っているだろうが、使いこなしている人の数は相当に少ないと思われる。高望みや背伸びをせず、本書のような辞書を使い込んでこそ、英語力は向上するというもの。
無理をして難しいのをやろうとする人もいるが、大切なのは基礎。
上級の辞書でないと難関大に対応できないと錯覚する人もいるが、そんなことはない、本書で大学受験も英検もTOEICもオマカセ出来る。
全国の高校教師も、ジーニアスの一点張りではなく、本書のような辞書も選択肢の一環にしてほしい。
また、「辞書を読む」のが好きな社会人にもお薦めの一冊である。