正味1４４ページのこの一冊で数値流体力学を習得することはとても無理です。
中身があんまりにも圧縮されて、基礎から差分法や有限体積法を勉強したい人には不向きです。

最近適用範囲が大きく広がっている粒子法，MPS法を開発した越塚先生の本．最後の章のMPS法の解説は，開発者が書いているのでかなり詳しく，また解りやすいと思いました．また，前半の数値流体力学の基本となるパートも，かなり初心者が解りやすいように気を使って書かれているように感じました．あと，格子のトポロジーについても詳細にかかれていて，他には見られない特徴です．「数値流体力学と名のつく本はどれも似たような内容だな」と思われている人にお勧めできると思います．

数値流体力学の基礎を勉強するために購入したが、数値流体力学の歴史的な背景及び進歩にもふれながら、基本的な事項をじっくりと説明している良著である。
とりわけ、数値計算の誤差に関する評価方法、各種の格子に関する詳細な記述及び評価、差分法、有限体積法に関する記述は秀逸であり、これ１冊読めば、十分と思えるレベルである。

なお、主として構造解析に使われる有限要素法についての記述はほとんどないが、数値流体力学の入門用としては特に問題ではないと考える。