説明が足りないという見方もあるようですが、占いが好きな人(例えば私)は、特に理屈は求めません。深層心理学の本を買った訳ではないので。
やや謎めいた古い占い本に興味のある方にはお薦めです。
「巨大な存在感を持ち、深海と浅海を行き来するくじらは全てを呑み込む大きな力の象徴であります。ですからくじらの夢を見たあなたがそのくじらに対して不安を感じたりしたら、大きな目に見えないプレッシャーを貴方は抱えていることになります」というような記述が必要なわけである。
しかし、この『完本 夢占い』では訳者のはしがきで
「“アスパラガスを食べる夢は、挫折を暗示します”などといった、えっ、なんで?と突っ込みたくなるような記述も少なくありません。そのあたり、ま、あまり深くは考えず、愉しんでいただければと思います」
と書いてあるように、深く突っ込むスタンスの本ではなかったし、他の象徴の事例を見ても「~が出てくる夢は~でしょう」と結果のみを言って、「それが何でそういう意味なんだ」ということに関しては一切突っ込まない。
「ま、あまり深くは考えず、愉しんでいただければ」というスタンスの人ならばこの本を楽しめるであろうが、夢占いに関してはもっと深く突っ込んでくれている良書は溢れているので、この本に不満を覚える人は他を当たった方が良いと考えられる。