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牛乳の未来

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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山地酪農と牛乳の未来 ★★★★☆
筆者が、聞き書き形式で北海道の放牧酪農家たちを訪ね、
それらの人々の話を口語体形式でわかりやすくまとめたルポルタージュ。
ポイントが要約されているのでわかりやすい。

最初に北海道旭川市の山地酪農家・斎藤晶さんを取材し、
それを聞き書きした原稿で賞に輝く筆者であるが、
「このような素晴らしい牧場がなぜ広まらないのか」
と疑問を抱き、斎藤牧場を出発点として北海道の放牧酪農家を訪ね歩く。

登場人物として現れる各地の放牧酪農家は、独特の理念を持ち、
各々の違った立場から説得力ある酪農論を展開する。

それぞれの視点から斎藤牧場への批判も行われており、
実際に酪農の現場に携わる方々の批判的意見はとても参考になった。
「山地みたいな条件が悪いところでやってるから、宗教家みたいな信念や信条を持つようになるんじゃないですかね。平らなところでやるほうが楽ですよ」
などと、山地酪農に対する批判はなかなか手厳しい。

取材を終えて、従来の自然礼賛的・一面的な山地酪農観から脱却し、
多角的で幅広い視点を得た筆者が、最後に再び斎藤牧場に戻って
くるのだが、やはり眼前の牧場に感動し、心を奪われてしばし佇む。

理想の酪農の形態とはいったい何なのか・・・。
筆者が結論を出さず、読み手が考えさせられる良い終わり方だと思う。

ひとりひとりが「牛乳の未来」を考える上で、参考になるでしょう。
これだけで判断するのは ★★★☆☆
主流とは別のやり方を実践している酪農家を聞き書きの形で掘り下げていきます。もちろん負の部分も他の人への聞き書きでバランスをとっているようですが、両者とも定性的な表現にとどまっているため本当のところはどうなのか判断しづらい。この本だけで判断するのは危険で、他の酪農関連の本とあわせ読んでみるべきでしょうね。
素人が知らないことを書くと害を流す ★☆☆☆☆
著者は酪農および人類の農業史にまったく知識を持たない人であることは、一読すればすぐ分かる。しかも彼女が取材の対象としている酪農家は酪農のプロから見ると「困った」人たちという位置づけになる。

三友氏などは酪農界に大きな害毒を流したといって差し支えない。本人の酪農は貧弱で科学とはまったく縁のない代物であり、乳質が悪いので農協も困り果てている。脱都会派であり、口が達者だが酪農の腕前は素人同然である。規模縮小、乳量低下を主張するが、自分が乳量を高めることが出来ないだけである。しかし、自分はかつて組合長をやっていたので、それでも給料があるから食っていけた。それをマイペースと称して講演して歩くので各地で負債を償還できないで倒産する酪農家が続出した。こういうタイプには新聞やテレビが無知のために食いつくので、被害は増幅する。このタイプに野原さんのように善意だが無知な人はすぐに騙されるのである。この本に登場するような酪農家は自分がひっそりと好きなようにしていれば罪がないが、アイデンティティに自信がないので、他の酪農を非難し始める。

日本の酪農の本流は科学的、経済合理的な営農で、安全で価格の合理的な牛乳を生産している。野原さんの本や、彼女に入れ知恵している酪農家の発言は、悠久のインダス河に放尿するようなもので、矮小で醜い。
学ぶところ、多し ★★★★★
 本書は、野原由香利さんが聞き書きにより、斉藤晶さん、松岩達さん、吉川友二さん、新村浩隆さん、足寄町放牧酪農研究会、三友盛行さんら、北海道の放牧酪農家達を巡り、題目そのままの『牛乳の未来』を考えた本である。
 
 登場する話し手は、既に自著も出している方もいるが、(文面からは質問は割愛されているとはいえ、)質問に応える形なので、また別の側面が語られているし、聞き書きの間に入っている著者の要を得た酪農界の資料の配列もいい。
 
 本書の著者は斉藤牧場に魅せられ、それを聞き書きとし、賞をもらった後で、ふと、なぜこんなにも良い牧場が広まらないのか、という疑問を持ち、それを紹介された酪農家の行く先々で考えている。そして、確かにそこでは様々な登場人物が、別の角度から、斉藤牧場の死角を指摘しており、それぞれに自身の立脚点があり、説得力がある。それでも最後に斉藤牧場に戻ってくる著者は、やっぱりその目前にあるものに感動してしまう。その結論を早急に出さず、今、感じたことをそのままに、素直に書いているのが寧ろ良い。

 また各章に登場する登場人物たちも、何もこの質問の応答者にばかりなっているわけではなく、皆それぞれにヴァイタリティーと、それに基づく落ち着いた酪農の理念と未来への夢を展開する。本の中にもそうした指摘があるが、どの村でもそこに1人や2人、こうした人はいるものだが、こうした一人一人の姿は、なかなかマスメディアのなかで伝わってこないのが現状であろう。場所は北海道だが、自分の近くにもこんな酪農家さんがいないかな、と探してみたくなる本であった。

お勧めします。 ★★★★★
本書は山地酪農というエコロジカルな酪農を営んでいる斉藤晶氏を中心に、
現代の酪農が抱える問題をつつましくも勇敢に乗り越えようとしている
酪農家を追ったノンフィクションである。

酪農という題材を元に、
資本主義社会の低コスト至上主義があらゆる場面で生み出している、
「物」の品質の低下とそれに伴う犠牲が鋭く描き出されている。

BSEを発生させた原因はそもそもどこにあったのか?
安価な商品を提供、購買できればそれでよしとする、
私達人間にもはや可能性は残されていないのか?

酪農の厳しい現実は決して楽観できないが、
本書に登場する酪農家達はみんな幸せそうである。
何が彼らに幸福をもたらしているのか?
読んでいる者にまで幸福感をもたらす

彼らの生き方は酪農だけではなく、
加速し続ける資本主義社会の弊害に対する一つの打開策を提示している。

インタヴューは聞き書きという新しいスタイルで再現されており、
読んでいると話し手から直接語りかけられているかのような臨場感を覚えた。
話し方や方言から個性が浮かび上がってくると

理念や生き方まで話し方に表れているように感じられるのも面白かった。