マクドナルドが使っている肉の出所、
滅多に値下げすることのないモスバーガーの肉の出所、
それぞれにわけがあった。
他にも輸入の野菜や加工品。
日本人の常識が海外ではどんなものなのかが実感できる。
これは食卓を預かる主婦だけでなく
ファーストフードを愛する若者やサラリーマンにご一読いただきたい
一冊である。
「ハンバーガー」
日本の2大ハンバーガーショップ、マクドナルドとモスバーガー。
この二社はそれぞれ値段と品質という対照的なものに対して企業努力を結集します。
この章で好感が持てるのはマクドナルドを一方的に攻撃せず、安さを追及する
企業努力を認めた上でモスと比較している所です。バランスの取れた感覚の上で
読者にどちらかのハンバーガーを選択させる形になっています。
「牛丼」
著者は日本の牛丼会社4社に取材を申し込みましたが、応じてくれたの㡊??
吉野家だけでした。その取材を元に牛丼を主食とする事への問題点を提起しています。
「輸入野菜」「中国産ウナギ、ワカメ」
中国産が入ってずいぶん安くなった野菜ですが、シイタケの防腐剤に
日本で許可されていないホルムアルデヒドを使っていたことや、
輸入野菜は日本の港でくん蒸殺菌することが多いなどの問題も出ています。
ウナギに関して驚いたことは、中国の方が広い池で養殖しているため、
抗生物質や殺菌剤の使用量が少なかったことです。輸入物が危ないとは
単純には言えないようです。
「安さの陰にひそむ矛盾」
先進国のアメリカが安く食料を提供できるのは、メキシコ人などの単純労働者を
最低賃金以下の水準で雇っているから。しかも米農務省から莫大な補助金を
受けていることなど外国食品の安さにひそむ矛盾を調査しています。
企業は利益を追求する組織ですから、彼らは利益を得るためならどんなことでもやります。選ぶ権利㡊??消費者にあることを考えれば、もっとこうした本を読んで勉強して、賢く企業(商品)を選択する義務がある。
本としては、各章ごとにそれぞれの専門家が調査・報告した内容になっているので、ただのデータを羅列した内容ではなくおもしろかった。商品に的をあてるだけでなく、各企業の販売・サービス戦略も紹介していることなどからも、本書が単純な食品についての報告書ではないことがうかがえる。要は表面的な「安売り」「サービス」の水面下には、こんな現実があるから、惑わされてはいけない!ということだろう。