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セクシュアリティの心理学 (有斐閣選書)

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 有斐閣
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:小倉千加子/著 出版社名:有斐閣 シリーズ名:有斐閣選書 1644 発行年月:2001年05月 関連キーワード:セクシユアリテイ ノ シンリガク ユウヒカク センシヨ 1644 せくしゆありてい の しんりがく ゆうひかく せんしよ 1644、 ユウヒカク 8611 ゆうひかく 8611、 ユウヒカク 8611 ゆうひかく 8611 本書ではジェンダーとセクシュアリティの混乱を整理した上で、現在のセクシュアリティ研究の最先端まで読者を導いていく。 第1章 摂食障害と女性のジェンダー化第2章 ジェンダー概念の登場-J.マネーの功績と限界第3章 ダーウィン革命と性科学の誕生第4章 性差に関する科学的言説の歴史第5章 近代結婚制度と女性の病第6章 女性のセクシュアリティと母娘関係第7章 ジェンダー、セックス、そしてノーマルという概念第8章 クイア理論とセクシュアリティ第9章 ジェンダー/セクシュアリティの本質主義/構築主義
入門書に適した好著 ★★★★★
1.単純化された議論、極端な議論が多い、2.バトラーやセジウィックの議論の文化的背景がわかっていない、など欠点は多いが、難解ゆえに敬遠されがちなクイア(変態)理論をここまでわかりやく噛み砕いて説明した功績は欠点以上に大きいと思います。男性異性愛者中心主義に違和感を持ち始めた人にとって、入門書に適した好著だと思います。男らしさという病?―ポップ・カルチャーの新・男性学と併読すると面白いと思います。
セクシュアリティーとジェンダー ★★☆☆☆
やや著者の独断と偏見ではないかと感じられる箇所があった。
概論書的なものなのか、筆者の研究にもとずいたものなのか、エッセイ的読み物なのかその判断がつきかねる。
摂食障害、母娘関係に関しての言及は、著者の近辺にいる具体的な誰かを示さんばかりの厳しい批判的意見が見られる。心理学上でも注目を集める重要かつ繊細な事象に関して、個人的な意見を濃く入れるのならば、それを実証する統計データなどに基づき述べてもらいたかった。
しかし、古代から近代にかけての結婚制度、性にたいする認識の変遷は分かりやすい。又、時代と共に変わる漫画を具体例にした女性像についてふれられている箇所などは、読みやすい。
ジェンダー心理学を学ぼうとする人のとっかかりとして、あるいは自分なりの日本社会への考えをあぶりだすものとして一読するのに適しているのかと思う。概論書としては読めないと感じた。
著者の「症候」が垣間見える書物 ★★★☆☆
ジェンダーからセクシュアリティに重心を移し変え、セクシュアリティがパフォーマティヴ(行為遂行的)にジェンダーを構築するするという、バトラーの『ジェンダー・トラブル』に範を求めたような、ジェンダー/セクシュアリティ論の入門書。バトラーやセジウィックの理論の背後にある西洋史/文化史への知識と理解を十分に共有していないためか、この両者についての理解がやや甘い点はあるものの、全体としてわかりやすくまとめられている点は評価できる。
ただ、時として決め付けや断言、過度な単純化が激烈な調子で出てくるところが、一部のフェミニストに見られるようなイデオロギー性を超えた、著者自身の個人的体験を抑圧した「症候」として読めてしまうところが面白いといえば面白い。とくに結婚や母娘関係についての過激な記述を客観的に読める人にとっては、別な意味で楽しめる書物であろう。
難解な学術用語の中に、ときおりソフトな一文があります。 ★★★★☆
 小倉千加子氏は常に短大生や主婦などいわゆる知的エリートじゃない女性達にフェミニズム的考え方を提示してきた。だから、氏の本は、ドラマや漫画、芸能人、自分の教えている短大生についてのエピソードを引き合いに出して、エンターテイメント性持つように作られている。

 この本は、(大学の先生御用達の)有斐閣選書なだけあって、学術的で難解な部分がある。でも、少女漫画分析や摂食障害事例、ベビーM事件などの具体例を出していてあきさせない。

 特筆すべきは、読者が限られているためか、けっこう「そんなん言っちゃってもいいの?」的なことをはっきり書いている点だ。例として「『ヤンキー』早婚の法則」(母親から十分な愛情を受けなかった娘が、早婚で母になり、また十分な愛情を娘に与えてやれず、「ヤンキー」の悪循環が起こる)などがある。

 性同一障害についての記述で「当事者の立場は尊重するという前提に立って、あえて私が問いたいのは、ジェンダーが不快である場合、改変すべきは身体ではなく、ジェンダー社会の方ではないかということです」という主張に同感だ。その苦しみは本人でないとわからないのかもしれないが、戸籍や身体を改変してまで、「男」「女」というカテゴリーに入ることは幸せにつながるのだろうか?もっと自由な生き方はないのだろうかと疑問に感じてきた。何がベストかは今だわからないが、自らのセクシャリティとジェンダーについても同様に考えて見るべきなのだろう。

小倉千加子がまだダメだったころ ★★☆☆☆
「結婚の条件」で正気に返った小倉千加子だが、本書はまだイデオロギーと学問の区別がつかない時代の著書。第一に、ジョン・マネーの、性差は後天的に変えられるという説のための「人体実験」の嘘が暴かれたのに対し、マネーはフェミニズム的に擁護すべき学者だったかなどと小倉は問うており、学問の当否の判断をイデオロギーに委ねようとしている。第二に、いわゆる日本近代の恋愛輸入品説を無批判に継承している。せいぜい本書で見るべきところは、イヴ・セジウィックの言語遊戯でしかないクイア理論を批判し、同性愛者解放のためにはカムアウトしかない、と明言している点くらいである。
なお贅言ながら、こういうものは「通俗心理学」であって、アカデミズムにおける心理学とは似て非なるものである。
小谷野敦