実際に読んでみると,「情報とはなにか」とか基本的な概念を
専門用語を使わずにやさしく解説してあり,目から鱗が落ちる思いでした。
これまで,自己流でそれなりに分かったつもりでいましたが,
やさしく,系統的に解説してあり,インターネットなどに関しても
「ああ! あれはそういうことだったのか」というとことが随所にあり,
た!いへん勉強になりました。
巻末に,今話題の「ユビキタスコンピューティング」,および,
ついにマイクロソフトが参加するようになった
「トロンプロジェクト」のことが
分かりやすく説明してあり,それだけでも,たいへん得をした感じでした。
情報化社会に生きる人にとって,一度読んでおくといい本だと思います。
これまで,このような本を探していましたが,
やっと巡り会えたという感じです。
この解説文の中に、著者のメモをそのまま最終原稿にしたのではないか、と思われるような記述が多数見られます。「ここはわかるだろう」とか「ここは読まなくて良い」など。
解説の中で多用されるたとえ話や例示もわかりにくいものが多いです。文章表現もあまり考えられたものではなく、初稿がそのまま通ってしまっているような印象です。
これは、著者の責任というよりも、編集者の能力の問題か、あるいは無理なスケジュールで編集を行った出版社の責任ではないかと思量します。
坂村氏の文章は新聞のコラムでのみ読んだことがあり、その時には平易で的確な表現で分かりやすかったという印象がありましたが、この本の解説文はその印象を全く覆す内容になっており、残念です。