テイタムの偉大な業績をコレクション
★★★★★
アール・ハインズと並ぶ古典ジャズ・ピアノの巨人、テイタムの最初期のソロ演奏から、50年代初めまでのグループ・セッションを、コンパクトに集大成した4枚組ボックスである。
CD1及び2の途中までは、デッカ(一部コロンビア系)への大量のソロ吹き込みからのベスト編集、CD2の中程以降はコンボ演奏とグライムズ、スチュアートとのトリオ演奏、CD3の初めの方もトリオ吹き込みだが、後は再びソロ演奏がほとんどとなっている。
こうした構成を見てもわかるとおり、彼はシンフォニックな演奏を特徴としたソロ・ピアニストであったわけだが、スラム・スチュアートの鼻歌入りベース・ソロは願い下げにしたいので、その点でも上手な編集になっている。
変わったところでは、CD2の25.と26.それにCD3の1.のVディスク音源か。これらはエスカイヤー・オールスターズのライブ演奏で、 Louis Armstrong, Roy Eldridge, tp; Jack Teagarden, tb; Barney Bigard, cl; Coleman Hawkins, ts; Art Tatum, p; Al Casey, g; Oscar Pettiford, b; Sid Catlett, d.というメンバー(CD2の25.)を見ただけで、聴く前から興奮を抑えきれない逸品である。