金融の面白本とは、一線を画しています。
★★★★☆
四つの短編、いずれも面白い。
何しろ、記載が正確。
記載が正確がゆえに、退屈かというと
そうではない。著者自身のご経験もあるのでしょうが
相当の下調べもされているのでしょう、
単なる金融の面白本とは、一線を画しています。
少々物足りない・・・
★★★☆☆
短編集だから仕方ないのかもしれないがやはりちょっと物足りない気がする。「トップレフト」や「巨大投資銀行」を読んでいるだけにもう少し内容が深くてもよかったような気がする。表題作の「カラ売り屋」はネタが面白いのに短編に仕立てるためなのか途中から一気にスピードを上げすぎて「もう終わりか?」みたいな肩すかし感があった。「エマージング屋」はテーマも主人公の設定もいかにも黒木作品という内容で難しい経済用語にもかかわらず緊迫感もあり楽しめる内容だった。「村おこし屋」と「再生屋」は主人公がいつものかっこよさがあまりなくそういう意味で個人的にはいまひとつだった。
黒木作品はやはり長編がおすすめです。
軽妙な黒木亮
★★★☆☆
黒木亮の小説は大体真正面から取り組まないと読み切れないが、この短編集は寝転がって読める軽さが...良い。深く考えず食間の口直しのような味である。
過疎、高齢者の村の利権、ディーラの世界の人間関係など他黒木作品のおつまみににた味付け。難しく考えなければ楽しめます。
はじめての経済小説にピッタリ
★★★☆☆
この作家と言えば国際金融小説ですが、どれも結構ボリュームのあ
る作品となっており、初めて経済小説を読んでみようって思われた
方には、ちょっと手に取りにくいのではないでしょうか。
そんな「経済小説に興味はあるが…」という方にはこの短編集がオ
ススメです。
さて、本書「カラ売り屋」は4つの短編が収められており、その中
のひとつがタイトルでもある「カラ売り屋」です。
この「カラ売り屋」では攻撃を仕掛ける投資会社、攻撃こそ最大の
防御とばかりに応戦する企業、この攻防が面白いです。
他の作品と比べ、短編なので当たり前ですが決着が早いです。
その分いつもの読み応えはありませんが、他の作品に通じる緊迫感
やテンポのよい展開はあります。
この短編「カラ売り屋」を楽しめれたなら、他のボリュームのある
作品も同じように楽しめるはずです。
短編で、読み応えが少し落ちる
★★★★☆
著者と言えば、『国際金融物』だが、本編は4作中2作が国内、しかも田舎が舞台だ。
題名ともなっている『カラ売り屋』は、本来の味が出て、『ハゲタカ』(真山 仁)同様の味わいで楽しく読んだが、後の3篇については、期待を上回る面白さではなかった。
『村おこしや』については、殺人事件と絡めて、松本清張っぽくすれば、もっと楽しめたかも知れぬ。 後の2編も、手に汗握るような緊迫感や、主人公に感情移入して一緒に悔しがったり嬉しがったりすることができず、残念だった。
読後、長編で口直ししたくなった。