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現代の親子問題―なぜ親と子が「問題」なのか

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本図書センター
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「昔は良かった」の陥穽 ★★★★★
「核家族化が戦後一貫して進行して来ており、それが子供の教育に悪影響を及ぼしている」、「子供に甘い親が増えており、家庭の教育力が低下している」、「家庭の本来的任務であるしつけを最近の親は学校に依存している」、・・・・などなど。
不登校にせよ非行にせよ子供に所謂問題行動が生ずる度に家族が悪者にされ、70年代以降特に核家族や親の躾の至らなさ(過保護・甘やかしなど)を槍玉にあげるそうした言説が支配的になって来ている、というのが本書の基本的な問題意識としてあります。

そう指摘されてみると、いずれも耳にしたことがあるようなものばかりで、残念ながら評者自身もそれに感染していた可能性を否定できなかったりします。

著者らは戦後の様々な統計的資料を丁寧に読み解きながら、そうした言説の正当性に疑問を投げ掛けるとともに、言説捏造の背景にある、福祉推進を放棄し自己責任論を前面に押し出すといった国の政策の転換、我々の中に巣食う偏見、保守的な家族像の押し付けなどの共犯関係を炙り出してくれています。

お国の事情で、家族のあり方についてああでもないこうでもないと色々干渉・介入されて、我々の個人的な生活が振り回されている様子が見て取れるのは、悲しくも愉快でした。