芝右衛門狸の加筆が秀逸

その昔、最愛の孫・娘を各々無残な形で失くした
事触れの治平と芝右衛門

そんな、心に同様の傷を持つ治平の芝右衛門への同苦・憐憫の情、そして友情が
あのラストの加筆によって鮮烈にあぶり出され
暖かく読み手の胸を打ってくる！

狸合戦の絵もファンタジック方向に振れてて面白い

それにしてもこの絵描きさんは
100人キャラが居たら100通りの描き分けが出来る技術と執念を
持っているようだ

今巻は舞首、飛縁魔、芝右衛門狸の三話を収録。
個性的なキャラクターたちが生き生きと見事に描かれています。今巻でついに平八さんが登場。日高版平八は可愛らしいです(笑)

ほのぼのとした場面と怪しい場面の対比も素晴らしく、原作を読んでいても初めて読む話のような新鮮さを感じます。

舞首も飛縁魔もいいですが、個人的には芝右衛門狸が特に好きです。