欠陥が目に付いた。
(1) たとえば「真実」という語に対し、「真実性」「真実味」と
いった、接尾語付きの単語が追加されている。しかしながら、
すべての複合語を網羅しているわけでもないし、また一方で
そうした語が、意味分類を曖昧なものにしている。これでは、
改良なのか改悪なのかわからない。
(2) 旧版は雑誌の記事データを使って語彙を収集したそうだが、
新版については、インターネット時代にも関わらず、そうした
作成者の個人的知識に依存しない大規模な語彙収集が行われて
いる形跡がない。そのため抜けている単語が非常に多い。
例えば、1.1040「本体・代理」の07で「複製」「バックアップ」
「レプリカ」が挙げられながら、誰もが思いつく「コピー」が
ない。
(3) 最小項目が最小項目になりえておらず、同一の最小項目の中に
同意語と反意語が同居している。このために、類語辞典として使う
には問題がある。
(4) 全体の分類の体系が、わかるようで、よくわからない。なるべく
連想による思いつき的な語彙収集を避けた、と初版の序文にあるが、
具体的に一つ一つの単語をどの項目にあてはめるかについて、
明確な基準はどこにも書いていない。
以上のようなことから、この書籍に対しては、一体何の役に立つのか、
という根本的な疑問がわきおこる。改訂作業自体が非常に中途半端で
ある。
欠陥が目に付いた。
(1) たとえば「真実」という語に対し、「真実性」「真実味」と
いった、接尾語付きの単語が追加されている。しかしながら、
すべての複合語を網羅しているわけでもないし、また一方で
そうした語が、意味分類を曖昧なものにしている。これでは、
改良なのか改悪なのかわからない。
(2) 旧版は雑誌の記事データを使って語彙を収集したそうだが、
新版については、インターネット時代にも関わらず、そうした
作成者の個人的知識に依存しない大規模な語彙収集が行われて
いる形跡がない。そのため抜けている単語が非常に多い。
例えば、1.1040「本体・代理」の07で「複製」「バックアップ」
「レプリカ」が挙げられながら、誰もが思いつく「コピー」が
ない。
(3) 最小項目が最小項目になりえておらず、同一の最小項目の中に
同意語と反意語が同居している。このために、類語辞典として使う
には問題がある。
(4) 全体の分類の体系が、わかるようで、よくわからない。なるべく
連想による思いつき的な語彙収集を避けた、と初版の序文にあるが、
具体的に一つ一つの単語をどの項目にあてはめるかについて、明確な
基準はどこにも書いていない。
以上のようなことから、この書籍に対しては、一体何の役に立つのか、
という根本的な疑問がわきおこる。改訂作業自体が非常に中途半端で
ある。