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特別個室と僕―看護婦母娘vs.二人の先生 (フランス書院文庫)

価格: ¥750
カテゴリ: 文庫
ブランド: フランス書院
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主人公への愛情と過剰なまでの欲望が乱舞する開き直りのヒロイン達 ★★★★☆
本作に登場する4人のヒロインに言っておきたい。「アンタ達、揃いも揃って聖職者なのに、その変態過ぎる破廉恥振りも大概にしておきなさいよ」と。ついでに主人公にも「君ねぇ、こんな絶世の美女達に囲まれて無条件に愛されてこっちがジェラシーだよ」と。つまりはそんな作品である。前作にしてデビュー作『女教師母娘』でも繰り広げられた、自分の想いに正直なゆえに無節操に暴走する愛欲の乱舞が、本作でヒロイン倍増、破壊力も倍増で弾けまくっている。やや病弱(その割にムスコは物凄く元気)な中学生主人公に対し、養護教諭と担任の先生、そして実姉と実母(揃ってナース)がショタコン気味な「主人公大好き!」攻撃を仕掛けまくる展開が最後まで続く。積極的な先生組に対して、さすがに相姦の禁忌に阻まれて遠慮がちだった実姉が包み込まれ、最後に実母が巻き込まれる流れである。それにしてもヒロイン達がことごとく欲望に忠実に振る舞う様が赤裸々で、もぅ呆れるというか笑えるというか、一体全体どうなってるの、という感じである。少しばかりくどい気もするが、主人公に対して正直に向き合う姿がはしたなくもいやらしい過剰反応を見せ、言葉だけで、あるいはムスコを握っているだけで絶頂を迎えるほどの感応振りにはある意味天晴れである。しかも面白いのは、ヒロイン達がみんな自分が変態だと自覚していることである。そして実母の参戦によって『変態同盟』が完成し、この同志的連帯感がいやらしさに拍車をかけている。セリフも可笑しくて、ほぼ全編で笑いが込み上げてくる。最後はもちろんみんなで仲良く乱れ狂うクライマックスだが、この後のエピローグでちょっと予想外の展開が待っている。なるほどそう来たかと思わせる、明るい未来を示唆する結末には甘さを越してクサさすら感じるが悪くない。