正しい歴史観
★★★★☆
一時のマスコミ報道で判断せず、このような過去を正しく見直し、真実の歴史観を持つことはこれからの混乱の世の中で、マスコミ報道に混乱させられず正しく生きていくためには必要なことであろう。一読されることを望みます。
平成の20年間の日本の政治を総括する良書
★★★★★
著者の平野貞夫氏は衆議院事務職を経た後に、参議院議員や議員秘書を経験しいたという異色の経歴の著者です。
この本は、昭和天皇が崩御された平成元年から麻生内閣までの平成20年11月までを著者の活動や周りの国会議員の本音を
著者の感想などとともに主に小沢一郎氏の側近としてのエピソードなどと共に紹介しています。
著者は衆議院事務職という職柄、自民党や野党の国会議員から、答申書をまとめたりする依頼を受けるなど生の政治家と
接している経験から、通常のジャーナリストでは知りえない話がたくさんちりばめられています。
私が一番興味を持ったのは、細川改革連立政権の樹立にいたる過程とその挫折、村山自社さ(村山富市総理のもとでの
自民党・社会党・新党さきがけ)政権の樹立や崩壊に至る過程でしょうか。
新党さきがけの武村正義氏や社会党の村山富市氏の人間的な弱さや資質のなさ、大局を見る目のなさに哀れというか
やるせなさや怒りを覚えました。
武村正義氏を細川連立政権から排除していたなら、日本は今よりましな状況に置かれていたのではないかと思えてしまいます。
著者は小沢一郎氏と行動をほとんど共にしていることから、生の裏事情や小沢一郎の人間的な側面にも書いているところは、
そこまで書いちゃってもいいの?と思ってしまいました。
まずは、あの小沢一郎氏もやはり人の子であったのかと、弱い部分も書いてあったところに微笑ましさを覚えましたが、
やはり小沢一郎氏の人間としてや国会議員としての資質の高さに感銘を覚えました。
また、著者の人間を分析する目や政局を乗り切る知恵、そして議会制民主主義のなんたるかを身をもって現場で体験・勉強
してきたからこそ言えると思える内容にも感服しました。
これを読めば、自民党がなぜ衰退したのか、なぜいままで色々な党が出てきては潰れてきたのか、なぜ民主党は誕生したのか、
これからの日本をどうすればいいのかなどがおのずとわかるのではないかと思われます。
小沢一郎氏からなぜこれまで色々な人が袂を分かれてしまったのかその原因が小沢一郎氏でないことにも気づかされることと思います。
国会議員という職業に就く人がいままでこれほど自分の私利私欲に走る人がいかに多かったか、
その中で小沢一郎氏ほど頑なに自分の信念を曲げずに私利私欲などものともせずに来た政治家だということがわかるのではないでしょうか。
小沢一郎氏の誤解を解いてくれる本ではないかと思います。
単なる日記!?
★★★☆☆
著者の日記のようである
昭和天皇ご崩御から始まり、平成政治に関する出来事が淡々と著者のメモをもとに日記のように記されている
しかも小沢一郎側の目線であり、偏りがあるように思う
しかし、政治を知らない僕のような素人は読み進めるうちに平成政治を歴史の勉強的には理解できるのはそういう意味では価値がある
ただ、決して「平成政治20年史」ではないと言える
あえて言うなら「平野貞夫の」を前につけるべきである
小沢一郎20年史?
★★★☆☆
僕は25歳なので、リアルタイムの出来事ですが
小泉政権以前のことはほとんど知りませんでした。
期待してこの本を読みましたが、著者の立場からか
小沢一郎氏を中心に構成されています。
相当偏りがあることは否めません。
この前に池上彰氏の「そうだったのか日本現代史」を読んでいたので
話にはついていけましたが、予備知識なしで読んだらキツイかなと。
あとは登場人物の顔写真を入れてくれたらもっと読みやすい気がします。
小沢史観の政治史
★★★☆☆
評価の非常に難しい本だ。衆院事務局幹部を長く務めた著者は議会運営や法解釈、憲法論などで小沢一郎の参謀として、平成20年間に成された数々の重大な政局の中でも最も内側で関与してきた。、非自民連立政権成立の合意、社会党の連立離脱、自自連立など90年代の重大な出来事が起きるまでの過程で誰がどのように発言し、行動したのか、本書で明かされる話は興味深い内容が多い。
その一方で、客観的に書けと言うつもりはないし、腹に隠せない気質なのかも知れないが、小池百合子を「女狐」、二階俊博を「利権派を代表する守旧派」と悪口が多すぎる。また、「小泉改革は全部悪、小沢の敵はみんな悪」という、物事を白黒でしか見ない著者の考え方には嫌悪するものがあった。
史料的、読み物的価値としては☆4〜5をつけたい所だが、著者の大局観や物の考えには賛同しかねるし、悪口の多さには閉口する。結局折衷的な☆の付け方になってしまった。自分でも正しい☆とは思わない。しかし、本書を読み、改めてこの20年というのは、小沢一郎の回りでこれだけの重要な出来事があり、彼を中心に回り続けたんだなとしみじみ感じた。