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平成宗教20年史 (幻冬舎新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 幻冬舎
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1年の宗教関係の事件が10ページで述べらる簡潔かつドラマチックな本 ★★★★★
昭和63年(1988年)から平成20年(2008年)までにあった宗教関係の社会事件が各年10ページほどで簡潔に書かれており、1日あれば通読できます。各宗教の教義の理解のためではなく、宗教が社会に及ぼした影響の理解のための内容が中心です。単なる事件の羅列にとどまらず、著者自身の、これらの事件が引き金となったともいえる体験(辞職や病気)が織り込まれ、ドラマチックな内容になっています。オウムと創価学会の公明党をはじめとする政治・社会・経済との関係に関する記述が中心ですが、その他の統一教会、真如苑、サイババなどに関しても短いながら興味深いニュースや、“戒名は本来仏教に存在しない”、“オウムのダライラマへの布施”など意外な事実も書かれています。著者は、創価学会を、その構成員は、主に家族・知人の中で外側の社会に触れないで育ち、宗教内でのみ人間関係が営まれ、信仰という要素は殆ど必要とされず、集まりは習慣に過ぎなくなってきていると観察しています。これをユダヤ人や旧ユーゴスラビアのムスリム人との類似性があることから、創価学会の民族化と呼んでいますが、興味深い指摘です。こうした動きはアメリカのユタ州のモルモン教などにも見られるもので、宗教のたどりうる一つの形と思われます。
著者の持ち味が生かされた良書 ★★★★☆
題名のとおり平成の20年間の宗教史を綴っています。

著者は著名な宗教学者ですが、その分析はさすがです。
おそらくオウムや統一協会などの新新宗教の団体について、
これほど精通している宗教学者は他にいないでしょう。
教義や活動の実態についてよく理解しているため、
書かれている中身に非常に説得力があるのです。

著者はオウム事件のときに「オウム寄りの学者」とされ、
たいへんなバッシングを受けました。
それなども、当時の社会が決して受け入れられない、冷静な
分析を行ったゆえのことだったのかもしれません。

ただ残念なのは、バッシングのときのことや、復権に至る
著者自身に関する記述がやや多い点です。
それさえ除けば、新新宗教の各教団に精通した著者の持ち味が
生かされた、良書といえるのではないでしょうか。
意外に面白い歴史書 ★★★★★
知らない人たちが集まる場所で政治と宗教の話はタブーと言われています。実際、本書の中でも著者の思い込みの部分には「?」がたちました。事実と分析、思い込みを区別して読み進めると良いでしょう。
昭和が終わってから、昭和史についての面白い本が多く出版されましたが、平成史の本はまだ稀です。自分自身が生きてきたこの20年間について、宗教にまつわる事件を通して振り返ることができました。また著者の分析にも「なるほど」と思えるものがあります。特に「おわりに」にまとめられた社会の変化は秀逸です。
オウムと学会で6割 ★★★★☆
後半になると各章ごとに違う新興宗教も出るが、前半は統一教会、幸福の科学がちょこちょこ出る位で本当にオウム一色。ほかのレビューにもあったけど、著者は新興宗教だけの人ではないだけに「平成宗教20年史」と出るからには、新新宗教だけでなく、宗教にも目配りして欲しかった。

と、幻冬舎のアイデアに無理矢理乗せられた感のあるタイトルには少々違和感を覚えたが、内容を読んでいくと、著者・島田氏が、本書で表層的な宗教的出来事を羅列しようとするのでなく、日本人の宗教的思考の変遷、宗教と社会の交わりについて出来事を手がかりに論じようとしているのが分かる。それは、神戸児童連続殺傷事件の容疑少年の宗教的言動の指摘、江原・細木といったスピリチュアルブームへの言及などに現れている。思考、社会との相関など重層的に宗教を考えようとする著者の意欲がわかる。

オウム事件までは著者・島田氏も自身の語る宗教史の登場人物の一人だった。そのせいか、なんとなく前半は冷静な観察者になり切れておらず、感情が入っている感じがした。歴史から切り離され、澄んだ目で観察されていた後半の方が面白い。
ノンフィクションノベルを読んでいるような面白さ ★★★★★
「日本の10大新宗教」の続編として位置づけられている。
「10大新宗教」では日本の主な新宗教について解説されていたが、
社会的地位の定まってない教団は取り上げられてなかった。
本書「平成宗教20年史」は、全体が20章に分かれている。
つまり1年ずつ、その年に起こった宗教事件や宗教問題を遡上に載せ
日本の宗教問題、宗教事情を歴史的に俯瞰していく。
その中では、オウム事件である意味での主人公となった、宗教学者・島田裕巳自身も登場する。
(第7章/地下鉄サリンと私へのバッシング)

地下鉄サリン事件があり、公明党が連立政権に参加した、平成という時代。
さらに白装束事件、スピリチュアルブーム……。
振り返れば平成の20年間は、まさに「宗教の時代」だった。

宗教を核にした歴史ノンフィクションを読んでいるような面白さだった。
同時に、このような時代に生きる我々が、新興宗教だけでなく、宗教的世情にどう接していくか、
考えさせられる1冊である。