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日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 幻冬舎
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よくまとまっていて新宗教の基礎的な知識や歴史を知れる ★★★☆☆
東京大学先端科学技術研究センターの特任研究員で宗教学者である著者が日本の主要10大宗教について客観的なデータを用いて記述している。
いわゆる新興宗教と呼ばれる主要な宗教法人の歴史的な成り立ちと現在の状況を知ることができる。電車の中で読んでいると背表紙をじろじろ見られるので注意です。
宗教の本質は思想ではなく、行動であり言葉である ★★★☆☆
単なる興味で手にとった。
天理教、大本教、創価学会、真如苑など、近代に創始された新しい宗教団体の成り立ちや教義、活動などについて概観したものである。
一般的に日本人は「無宗教」を自認しつつも、神仏の入り交じったある種の自然宗教的価値観の中で生きている、といわれている(日本人はなぜ無宗教なのか (ちくま新書))。しかし、本書を読むとそうばかりではなく、熱心な信者に支えられている宗教団体が決して少なくはないことがわかる。
新しい宗教が興るとき、なんらかの社会情勢、たとえば貧困とか疫病とか戦争などが影響していることが多いという。そうした社会科学的側面から宗教を学問として論じることは可能だと思う。が、しかし信仰そのものは果たして学問の対象になるのだろうか。著者はいう、
 「大地の母を読んで、私の大本に対する印象は一変した。
  そして、大本のことだけは研究すまいとも思った。
  それは、とても研究者があつかえるような世界ではなかったからである。」p54
宗教を思想史のひとつとして位置づけることは可能だとしても、それでは宗教の本質にはなかなか近づけない。宗教の本質はおそらく思想ではなく、行動であり言葉なのだ。生きることそのもの、といってもいいかもしれない。本書で紹介されている多くの教祖と呼ばれる人たちの生きざまを読み、宗教を「外側」から語る不毛さをすこし思った。
偏ってはいるがよくまとめられている ★★★☆☆
 天理教、PL、大本、創価学会と確かに規模では大きいが、多くの”新宗教団体”を無理矢理”10大宗教”としてまとめたのに無理があった。10にする必要もない。7つに絞るか、15位上げてみた方が解りやすかったかもしれない。ただ、この紙面で書かれた団体についてはよくまとめ上げてある。宗教を語るに、中立の視点で結論を出すのがいかに難しいか、島田氏のこの著書でよくわかる。本書では幾分大本寄りの知識に根ざした、やはり著者の取材で得た範囲に偏った内容になっている。
 本来なら、各宗教団体の幹部や信者らの意見も載せた方が良いが、取材自体が不可能の場合もある。本書は、取り上げられている”10大宗教”団体についてその成り立ちを知りたい場合は、幾分役に立つ。
良くも悪くも学者的な本 ★★★☆☆
日曜の朝にウチのピンポンをしつこく押してご満悦だった彼ら。
街中で「あなたの幸せを祈らせてください」と余計なお世話な彼ら。
彼らがいったいなぜ入信し、どんな信念でそんなはた迷惑なことをやっていたのか知りたい。

…という俗っぽい動機で読むと、ガッカリすること請け合いのこの本。
まず取り上げる宗教の選択。エホバや統一協会といった教団は、
「評価が難しい」との理由でスルー。
「評価(を正直に書いたら平穏に生きていくこと)が難しい」と、
行間を読んで納得してあげるのが大人の対応なのでしょうが、
やはりこの辺は今の新宗教を語るのに避けて通れないところではないでしょうか。

取り上げた宗教に関する言及も、
明治期にさかのぼるその宗教の内紛や分裂の歴史に多くのページが割かれ、
現在の信者が何を信じ、日々どんな宗教活動、勧誘活動をしているのかは、
あまり(敢えて?)触れられていないように感じました。

同じ著者の「無宗教こそ日本人の宗教である」も同じく客観的・網羅的ですが、
そちらは非常に興味深く勉強になりましたが、
本書はテーマがテーマだけに、もう少し切り込んだ内容がほしかったと思いました。
高度経済成長期の残像がここにも ★★★★★
新宗教を見る上での1つのキーワードが、高度経済成長。
となると、経済成長が止まってしまった現代において新宗教が
どのような方向に進むのかは確かに見ものだ。
他の見方として、この本ではそれぞれの宗教団体が組織として
発展していく様が描かれており、「学習する組織」の事例集としても
面白く読めた。