本書はテキストエディタVimの入門書です。主に、「Vimがつらい。もうやめたい」と感じている人や、これからVimを使おうと考えている人向けに書きました(筆者自身、約3年前はそんなレベルでした)。

Vimは最強のエディタではないし、取っ付きにくく、不自由なことも少なからずあります。しかし、もしあなたがタッチタイピングできて、(マウスよりも)キーボードによる操作を好むプログラマなら、あなたのナンバーワンエディタの候補として、Vimは間違いなく検討に値するエディタだと思います。

本書では、プログラミングに役立つVimの機能をメインに解説します。ほどほどにコンフィグ設定を変更したり、プラグインもいくつか導入します。本書で紹介するテクニックは、Vimのほんの一部に過ぎませんが、それらを修得する頃、きっとあなたはこう感じるでしょう。「Vimがつらい。でも手放せない」と。

ご注意:
本書を読めば簡単にVimが修得できる、というわけではありません。ある程度快適に作業できるようになるには、反復練習や「もどかしさ」に耐える期間が必要です。覚悟してください。筆者の場合それは、タッチタイピングを修得したときと似たような体験でした(いくら打ち間違っても、決してキーボードを見ずに当たるまで打ち直す、みたいな)。