インフォームドコンセントの主語は患者である。
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インフォームドコンセントの根底にあるのは自己決定権であり、患者=個人の権利の尊重である。
すなわち「家族にインフォームドコンセントを得た」というカルテによく見る文章はあり得ない。
アメリカで如何にこの自己決定権が確立されていったか、歴史的な事件について順を追って述べてある。
後半では保険の問題にも触れているが、失敗したアメリカを目標に市場原理に持ち込もうとしていた日本の滑稽さが良く述べられている。
パターナリズムから脱却した医療を目指す方の必携の書であろう。否、臨床医は全て一読すべき本である。