アメリカのシステムを知り、それを見習うであろう日本の制度変更に備える
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この本に出会うののが遅すぎたため、少しデータが古いのだが、日本の国民皆保険制度がアメリカ型の民間保険制度に変更された場合の、シュミレーションとして読んだ。
日本でも“小さな政府”が声高に唱えられ、自由診療を含む混合医療の解禁が小泉元首相に指示されたり、自由診療の(高度)先進医療が既に導入されている点を見れば、医療費削減のための個人負担増&老人・低所得者などの弱者切捨てが、進む方向にあるのは間違いない。
アメリカでは、保険負担を減らすために予防医学が重要視されているが、日本では、予防医学は医師の点数にならないため置き去りにされ、病気になった時点で患者の切捨てが行われるのであろう。現に人間ドックなどの個人負担を増やす保険組合が出てきている。
医師だけが儲ければよいという、合成の誤謬を生む現在のシステムでなく、予防医学と在宅医療(それを支える医療従事者・患者支援会などを含む)に重点を置く、患者主体の医療システムへの移行を、患者側としての対案としてもつべく、必読の書である。
アメリカの医療/保険制度の変遷と現状
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アメリカの医療/保険制度の変遷と現状が理解できる良書。いくつかの点で大変興味深く読んだ。ひとつめは、病院経営専門の修士課程(医療専門のMBAのようなもの?)というものがあり、そこでどういう教育がされているかを著者の生の声として知ることができること。ふたつめは、医療の世界がビジネス的な側面を考慮せざるを得なくなった経緯と、実際の例を見ることができること。三点目は、インデムニティ、マネージドケア(managed care)、メディケア、メディケイドといった保険の切り分けがどのように進展してきたか、マネージドケアのカテゴリーとしてHMOやPPOがどう機能しているかが分かりやすく理解できること。医療制度、医療経済の分野の方々だけでなく、アメリカの保険制度に直面する留学者、赴任者にもお勧めできる。
豊富な現場からのデーター
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現在日本の医療制度がが抱える問題に、30年前から積極的に取り組んできたアメリカの戦略が、豊富なデーターに基づいて分かりやすく総括されている。私達が日頃目にする切れ切れの情報をつなぎ合わせてくれる一冊。”本当のこと”を知りたかった人におすすめです。
アメリカの寛大さに驚き
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河野圭子氏の体験を元に書かれたアメリカ医療システムの解説もさることながら、フェローの教育システムに驚きを感じました。若い内に多くの体験が積めるシステム、COO採用手順など、医療システムを通して、アメリカの組織のあり方の一端を知ることができました。
イリノイ州と同じ面積の日本で、医療改革が叫ばれる中、私たちが考える手がかりとなるものと思われます。
アメリカの病院に留学する医療関係者にお勧めの1冊
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アメリカの病院に研究目的に留学しております。この本は、アメリカの病院のアドミニストレータの意味や、病院とマネージドケアとも関係など、アメリカの病院の仕組みがわかりやすく書いてありますので非常に役に立っております。これから、渡米される医療関係者にぜひ一押ししたい1冊です。