九月に蝉の鳴くところ
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窓から入り込んでくる気怠い風にも蝉の声が混じる季節。
一番嫌いな八月。まだ正午にもならない長い一日。
わたしは六畳間に寝転がって絵本を読んでいた。
すり切れかかった畳の匂いが心地よい。このままうっかり眠ってしまったら、頬っぺたに藺草(いぐさ)の跡がついてしまうだろう。
一見のんびりとしたいつもと同じ夏の日。
でも、今年の彼等はある事件を抱えていた。
双一郎と京子ちゃんが立ち向かう夏の終わりの事件。
*第1.2版で表紙だけ差し替えました。
本の中身は1.0版のままです。