本書が世界で広く注目される理由は、子どもの才能の開花や成績アップのために親はどういう考え方をし、なにをすべきかをわかりやすく説いている点にあるだろう。その提言は、教育とはだれもがもつ潜在能力を引き出すことだという理念から、子どもへの期待のかけ方や物語の読み聞かせ方などの具体論まで非常に多彩で、親や教師が直面しがちな問題をじつによくとらえている。
とくに、一方的な教育が子どもの才能の開花を妨げるといった親の責任をただす一連の指摘は鋭い。「統合学習」は、学習に楽しさを取り入れて効果を高めるなど、教える側ではなく学習者の側の発想から編まれたもので、これは日本の教育のあり方にも一石を投じるだろう。
監修の神田昌典も指摘するように、理念だけでなく具体的なテクニックを提示しているのも本書のすぐれた点である。テクニックは、音楽を使って記憶力を高める「コンサート・セッション」、話し合いを前向きにして問題解決を図る「グッド&ニュー」、情報の整理・要約や記憶力向上を図る「マインド・マッピング」など、ツール化したものだけでも20パターン近くを紹介している。いずれも楽しそうなものばかりで、学習の堅苦しいイメージを一変させてくれる。
「アクティビティ」以外にも実践のアイデアを多数引き出せる本書は、教育現場だけでなく、ビジネス、自己啓発、生涯学習など、「学び」のあるいたるところで役立つだろう。(棚上 勉)
しかし、私は自身が大学まで公立に行き、現在公立の小学校に通う二人の娘の親。テストや通知表に一喜一憂する妻。
ごくごく、一般的(と思っているだけ?)の家庭でこの本が使えるか?
フォトリーディング、マインドマップなど神田先生の紹介ツールで、私自身は大きく人生が変化した実感があります。
しかし、娘にこれらを教えることで、日本の学校教育の中で、浮いてしまわないか?
これは大変に悩む問題です。
なぜなら、学校の先生がこれらを全く知らないから。
それとも、公立の学校から、しかるべき学校に転校させるべきなのか?
第1種教員免許を取得し、採用通知をもらったものの、結局教員にならなかった身としては、複雑な心境です。
まぁ、娘の話をしっかり聞くというところからでもはじめます。
(これは、妻との話にも当てはまることですが)