エルヴィス プレスリーのオリジナル曲やカバーした曲を､ジャズのピアノトリオで聞く､というものです。もともとスローテンポの曲がほとんどですが､エルヴィスはハイテンポで歌っている３曲目も､あくまでもスローテンポにアレンジしており､イメージが異なっています｡また､オリジナルよりも遥かに素晴しいエルヴィス独自のアレンジではなく､オリジナルのアレンジに還ってしまっている１０曲目など個人的にはアレンジに物足りなさを感じます｡また選曲でも､エルヴィスならではの躍動感が伝わる曲も含まれておらず､もっとピアノトリオらしく爽快なスイング感やドライブ感のある曲も含めた選曲やアレンジが欲しかったと思います｡演奏そのものは､それなりにピアノトリオならではのムードと爽やかさがあり､一曲約４分前後で全１２曲ですから､たった一人でのＢＧＭとしても､また夜のドライブのお供にも格好といえます｡但し､ドライブにはご用心､あまりの心地良さで､眠たくなってしまうかも知れません！

ずいぶん前に、ＮＨＫ名曲アルバムで、エルヴィスの故郷、テネシー洲メンフィスの街の風景と彼の生い立ちをたどる映像を交えて、このＣＤの「ラブミーテンダー」「好きにならずにいられない」を２曲を聴きました。どことなく切ない演奏と映し出される彼のいない街の風景がマッチして、すごく心に沁みる演奏でした。当時、苦労してＣＤを手に入れたことが懐かしく感じられます。ビージー・アデールさんの演奏、ステキです。エルヴィスの楽曲をジャズピアノの聴くもの良いですね。私は、「Fools Fall In Love」が気に入っています。