無駄なく、漏れなくまとまったギリシア史
★★★★★
第四巻は古代ギリシアについて、エーゲ文明のようすからローマによるギリシア支配のはじまりまでを非常に読みやすくまとめている。ギリシアといって思い浮かべる出来事や人物についてはほぼ漏れなく収録していて、それらが歴史上どんな位置を占め、どんな意味を持っていたのかが見渡せる構成になっている。また、全体的に古代オリエント、特にペルシア帝国とのかかわりがとても強かったのがよくわかる。この関わり合いは近代にも反復されて、オリエンタリズムを生んだのを思い出すと、その原型を見ているように感じる。
非常に機能的な著作。ここから自分の興味の向く方面のギリシアを調べていく一冊目にいいのでは。
とてもわかりやすく興味深かったです
★★★★★
近々、古代ギリシャ美術史の勉強を始める予定なので、その前に、ギリシャの歴史を踏まえておこうと思い購入しましたが、政治、経済、民主主義の始まり、ポリスのあり方、ペルシャ戦争などについて、とてもわかりやすく、書かれており、大変役立ちました。
また、史実だけでなく、神話や演劇、彫刻や陶器など、芸術方面にも触れてあり、とても興味深く読むことが出来ました。ギリシャの歴史について知識がなくても十分楽しむことが出来るので、入門書としても最適だと思います。
あまり参考になりませんでした。
★★☆☆☆
河出書房版『世界の歴史』シリーズの「古代ギリシア」として書かれた本の文庫化ですが、当時と同様に、あるいは現代ではそれ以上に、古代ギリシア史を理解するには、あまり役に立たない内容だと言えましょう。 ヘレニズム時代に関する解説も乏しく、文化史に就いての説明も不十分な上に、古代ギリシア人に高く評価され賞賛された「衆道・パイデラスティアー(少年愛)」には全く触れられていないといったお粗末な出来映えだからです。