撮影場所が…
★★★☆☆
タイトルと書評から、どこに気をつけて演練すれば太極拳の大きな魅力「健康増進」を達成する事ができるか、という書物であると思ったが、この認識は、いささかはずれていたようである。本書の基本姿勢は、「どれだけ効果が上がるか、健康になるか」イコール「正宗太極拳の動きをどれだけ正確にできるか」ということであるように思われる。従って、正宗太極拳での正しい動きを円滑にするにはどうするか、どこがポイントとなるか、できない時にはどこに着目すればよいか、など、概してきめ細かい解説がなされているため、正宗太極拳を修行している諸氏になら大変参考になると思われる。各「コツ」毎に「コレができる」というコラムがあるが、解説どおりにできたなら、どんな健康増進効果があがるか、という解説はほとんどなく、どんな風に正宗太極拳を正確に行うことができるか、という記載になっている。また、せっかくオールカラーなのに、演武者の背景がどこかの部屋らしく、暗い木製床であるのに加えて暗い色調の家具がやたら目立ち、黒パンツ、黒靴を着用している演武者では、足の動きが見えにくい、という欠点もある。