いきなり、お釈迦様の亡くなるところから始まる。
★★★★★
これが映画だったら、最初のわずか1、2分でもう涙が出てしまうような感じで、この本は始まります。お釈迦様との別れで、このかたはなんて有り難い方だったんだろうと気がつくと同時に、親愛の気持ちがふわーっとわいてきて、亡くなってしまうことがものすごい悲しみとなり、最後の最後まで、人の成長を喜んでくださったこの方にぞっこんになります。スマナサーラさんのこの書き出し、見事だなー。3つの汚れた思考の中の3つ目、「暴力主義」について、あらためて暴力ってこういうことなんだって気づきます。人の刑を願うというタイプの思考も暴力だ、とはっきりします。まだ真ん中の部分は読んでいませんが、ここだけでももうレビューを書かずにはいられませんでした。
楽しくやろうぜ、小さくまとまんなョ
★★★★★
前段はお釈迦様がどのような方だったのか、
生きとし生けるもの、その命が幸せであることを願い、
そのための努力をとても喜ばれた事例が、
一人の女の子の物語を通して語られています。
後段は、幸せであるための三つのキーワードについてです。
P77の第二のキーワード「落ち込み」の挿画は必見です。
母を慕う子と、子を慈しむ母のほのぼのとした姿が描かれていて、
一つ一つの命が己の道を歩んでいることが伝わって来ます。
今日、ここで共に生きる命、
出会う人々との計り知れない縁を感じさせるすばらしい絵です。
「すべては置いて去るもの」
「穏やかにいること」
「人を助ける気持ちに入れ替える」(本文から)
いずれも言葉は簡単ですがその理がはっきりと語られています。
説法を文章化されてものです。
実際の語りがさらにおもしろいものであろう様子が、
あとがきに書かれています。