傑作の2ndアルバム「I am a bird Now」のリードシングルとして発売されたもの、のようです。
２曲目の「Fistful of Love」は後の2ndにも収録されますが、表題作「The Lake」と「The Horror Has Gone」は今のところこのシングル収録のみとなってます。

「The Lake」はエドガー・アラン・ポオの詩を美しいメロディに乗せた穏やかな楽曲です。1stで特徴的だった“The Johnsons”の豊かな演奏は極力抑えられ、そっと忍び寄るようなピアノ・囁くように繊細に流れるストリングス・深い慈悲のこもったアントニーのヴォーカル等、派手さはないけれど2ndの世界観を示すのに十分な力を持った曲です。

ルー・リードの参加曲「Fistful of Love」はドラムサウンドからピアノ、ギター、ブラス、そしてアントニーの力強いヴォーカルで作られた楽曲で、1stの雰囲気を引き継ぎつつ、それにしばしの別れを告げたような明るく乾いた空気を感じました。

「The Horror Has Gone」はミニマルミュージックのような展開を見せる楽曲です。類似したメロディーと繰り返される歌詞の絡み合いが心地よく、ゆっくりと天を昇り光の中を泳いでいくような柔らかい高揚感を味わえます。

2ndを好きになった方なら間違いなく心奪われる楽曲群が収められた素晴らしいシングルです。
また1stから順当に聴き進んでいる方にとっても、Antony & the Johnsonsの新たなる世界への招待状として申し分無い内容だと思います。