改訂版に期待しましょう。
例えば、民法で抵当権の物上代位を勉強する場合、差押・転付命令など
民事執行法の概要を知っていると、よりよく理解できるように思います。
また、民事訴訟法を勉強しているでも、例えば請求異議の訴えなどの
内容を知っていると、理解しやすいかも知れません。
本書の後半部分は、民法や民事訴訟法を学ぶ人が平行して読んでみると
得るものが多いのではないかと思われます。
前半の民事訴訟法の部分はかなりコンパクトにまとまっています。
細かな論点などはすべてカットしてあるという意味ではBASICなのですが
重要事項の解説もコンパクトなので、その意味ではBASICではないように思います。
民事訴訟法の部分は初学者向けというより、既習者の復習用といった趣です。
民事訴訟法を全く知らない場合は少し読むのに苦労するかも知れません。
とはいえ、民事手続全体を概説した本は少ないのでとてもよい本だと思います。
なお、2002年出版の本なので、最新の法改正は自分で補う必要があります。
有斐閣アルマだけあってそんなに小難しい本ではないです。難解な法律用語の波にさらわれることなく読み進めることができました。法学部の学生、出身者ではなくても大丈夫です。