森田さんはむちむち
★★★★☆
いまどき珍しいむっちりしたキャラ造詣が「昔の女子高生はこうだったなぁ」と郷愁に浸らせる森田さん2巻です。今の女子高生の体型はよく知らないけど。
本作の眼目も「高校生日記」……女子の友達同士でべたべたやたら触りまくるスキンシップが、ハタから俯瞰して(クラス男子視点などで)見ると妙にいっちゃらいっちゃらしてるように見えてなんだか微笑ましい・ついでに羨ましい、という。なにを書いてるんだ私(^^;
きゃあきゃあと笑いながらめまぐるしく話題の変わる女子友たちの中で森田さんはどちらかと言えば傍で控えているタイプでしょう。現実の風景としては脇の人物なのですが、そうした人ほど一度口を開くと意外と思慮深いことがわかって感心したりします。無口なだけに信用が置けて人望があったりね。そういうタイプを物語の中心に据えたのが本作の良いところで、物静かであまり熱くならない森田さんの目線で見るおかげで、きゃいきゃいした高校女子日常4コマの世界にすっと入っていけます。
作者さんはかつて森田さんタイプ女子だったそうで、やはり個人の創作作業である漫画は書き手の個人的な体感を通過した物語ほどもっとも惹きつける力を持ちますねー(また漫画読みなどはこの手のタイプが多いので更に惹きつけますが)。
正直げらげら笑うような話でもないし、あまり突飛な人物や事象が出てくると「それは違うだろ」なんて思ったりします(たとえばストーカー女子とか)。でも女子高生日常モノとしては間違いなく良作です。青春日常ものでくぅ〜っとなりたい人には絶対お勧め!
森田さんは誠実
★★★★★
独特な雰囲気です。
こんなサイレントな主人公の存在自体が、ギャグのネタだとは、なかなかユニークです。
本書では、無口の主人公森田さんの台詞は、平仮名の「あ」の下半分がカットされたもの程度です。
つまり、無口過ぎて、言葉が平仮名一字にも満たないという訳です。
森田さんは、全然喋らないけど、他人の話の聞き上手です。
手を止め、相手の眼を見て、じっと聞きます。
こんな風にされると、ドギマギとして、緊張してしまいますよね。
それが、森田さんの場合、誠実さがにじみ出ていて、周囲を包容してしまいます。
森田さんは、極度の話下手だけど、それを上回る聞き上手。
これは、話下手な方の、一種の処世術の見本としても、良だと思います。
森田さんの両親は仲は良いけど、どのシーンでも、お父さんのキャバクラ嬢の名詞が追求されています。
お母さんが名詞に関してネチネチと追求すると、決まってお父さんは「違うんだ」です。
何も違わないのですが、男はこういう時、決まってこう言ってしまいますよね。
(笑)
誠実な森田さん。
本書には、そんな森田さんの魅力が、凝縮されています。
無口な萌え
★★★★☆
相変わらず考えすぎて無口な森田さん。やっと話した言葉「えひゃいっ」に気付いてもらえません。挙句、ヅカとヅラを聞き違えられます。
そんな森田さんを支える両親や友人達以上に、ストーカーと化したメガネの女子(登場人物紹介にもチラリと登場)や森田さんあこがれ?の山本さん(バイトでコスプレ着用)が大活躍します。そして、ほんのチラッとですが水着シーンでのやり取りには萌えます。ペットとして金魚を飼い始めます。
そして連載誌が増えた事から、新キャラとして担任の牧先生が登場します。大変明るく陽気な方のようです。
おまけの4コマも良かったです。山本さんは無糖コーヒーは苦手なようです。