激動の時代を振り返る
★★★★☆
与謝野馨や竹中平蔵、橋本龍太郎、そして小泉純一郎といった人々に焦点をあわせて改革に費やされた日々を総覧しようとした作品。
分かりにくいといった批判もあるようだが、それはこの本が政争・政局を殆ど描写してないことに起因しているかもしれない。
だがその分実務的な面が描写されてあり、両面を併せて知ることによって得られる納得は大きい。
スキャンダラスな本ではないが、読む価値のある一書。
評価できない
★★☆☆☆
最初に、本書に否定的なコメントには役立たないという票が多いことを言っておく。
文章にせよ、内容にせよ、最近の小泉モノの中でもっとも悪い。新聞記者は正確でよみやすい文章を書く練習をするはずなのに、これは何なのか。事実紹介も分析もお粗末。学歴や日経所属ということで、わかりにくい本をありがたく思うのはばかばかしい。
政治にまじめに興味がある人のための本
★★★★★
本書は、筆者が日経ネットで書き続けてきたコラムの集大成。
渇いた筆致で淡々とつづられるスタイルは、内容と相まって
個人的には好感。固有名詞も多いため、読みやすくないけれど、
読み応えがあります。
他の方の批判はわかるものの、小泉改革は
突然変異的に現れたものではなく、小選挙制導入、橋本内閣に
おける行政改革などを経て築かれてきた素地と、小泉の個性の
相乗効果でできたものであるという点にこそ、筆者の主張が
あるのでは。
政治に興味があるのなら、読んで損はない本です。
新聞記事を並べただけでは
★★☆☆☆
細川政権まで戻って小泉政権を検証している。その努力は買おう。しかしだ、細川政権まで時計の針を戻したためか、400ページ強の大作の大半が長々と過去の政権の記述に費やされてしまっている。
確かに官邸主導にいたる経緯は大切ではあるが、読者としては、やはり小泉首相の下での劇的な官邸主導を読みたかった。
残念ながらその点を満足させてくれるものではなかった。文章も新聞記事の延長であるためかいくぶん堅い。
また本当にすべて著者ひとりで取材したものだろうか? 文体の変化からどうしてもそうした疑問を抱かざるを得なかった。
次回作に期待したい。
ラ・マンチャの男!
★★★★★
安部総理のモタモタぶりを見るにつけ、小泉さんの破壊力はたいしたものだったと思う。今となってはあの郵政選挙が懐かしい。
小泉ドンキホーテの突破力がかつては自分が反対した小選挙区制を逆に徹底的に使ったようなしたたかさにあったなんて、知らなかった。竹中サンチョ・パンサがいなくなった諮問会議がさえない理由もこの本で小泉時代の舞台裏を知ると、実によく見えてくる。