小論理学 上 (岩波文庫 青 629-1)
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徹底的に読むことで面白いのは「大論理学」だが、その理解に幅を持たせるためには、「小論理学」も外せない。具体例が多い、つまり、ヘーゲル自身の思考のベースにどういう具体的な知識があったのかを見ることができるからだ。ヘーゲル本人が自身の哲学を講義するため、聴衆にその綱要を示そうとした「エンチクロペディー」の第一部の「論理学」が、この「小論理学」である。ヘンニングらの補遺により、綱要だけでなくヘーゲル自身の講義での語りが付けらているところが面白い。上巻は、エンチクロペディーのさまざまな序文、「エンチクロペディーへの序論」と「存在論(有論)」である。