「思索者」レーニン
★★★★★
レーニンは様々な顔を持つ人物である。「政治家」、「革命家」そして「思索者」。
本書にはレーニンの「思索」とくにヘーゲル哲学に関する研究がまとめられておりレーニン研究者だけでなくヘーゲル研究者とっても有意義な作品といえるだろう。ただしあくまで「ノート」であり「著作」でないこと、そしてレーニンから見たヘーゲル観であることは留意した方がいいだろう。それでも晦渋なヘーゲル哲学をいかにレーニンが自らの血肉とし咀嚼したか、本書に収録されたメモや書き込みから読み取れると思う。
本書が「思索者」レーニンの再評価につながることを願って本レビューを閉めたいと思う。