OPアンプ設計テクニックを知る一冊
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単にOPアンプといっても、用途によって色々と種類がある。例えば…
・低雑音OPアンプ
・高精度OPアンプ
・高速/広帯域OPアンプ
…etc。
市販のOPアンプを買ってきて使うユーザならば、OPアンプのデータシートに書かれている謳い文句と各種特性を見て、用途にあったOPアンプを選択すれば事は済み、OPアンプ内部に使われている様々なテクニックまでは、必ずしも知る必要はない。
だが、OPアンプそのものを設計しようとなると、そうはいかない。当然、“高精度OPアンプ”と“高速/広帯域OPアンプ”では、設計思想が異なり、用途に合った、設計テクニックが必要となる。
本書の素晴らしい点は、この“用途に合った設計テクニック”が詳細に解説されている点である。巷には、多種多様な本が出ているが、本書のように、様々なテクニックが記されている本は数少ないと思われる。OPアンプ設計者ならば、是非とも手元に置いておきたい一冊である。
余談だが、本書の著者である黒田氏が書いた本で、“はじめてのトランジスタ回路設計”なる本がある。こちらは、設計テクニックについては、あまり書かれていないが、アナログ回路特有の考え方が良く記されていて勉強になる。併せて読んでおきたい一冊である。