私も著者と同年代の中京に住む京都人ですが、京料理についていかに何も知らなかったかが、この本を読み薦めていくうちに納得しましたね。
それにしても著者の知識量は半端ではありません。実際、ご自身で食べにいかれた経験を元に執筆されているわけですから、内容や記述の確かさも抜群です。
単なる老舗料亭の紹介本だけでなく、京都の文化の奥深さも一緒に味あわせていただきました。
それにしても本当に感心しましたね、「京都の町の隅から隅まで知りつくした著者による正真正銘本物の味」という紹介の文章そのままの内容です。
歯医者さんの余業ではなく、「京料理評論家」の本格的な京料理の解説本です。
何より良かったのは、文章がとても巧みで含蓄も多く、新書の分量でハードカバー分の内容を得られた思いがしました。