PRISM(紙)
価格: ¥2,024
プリズムはギターの和田アキラを中心とするフュージョン・バンド。75年結成というから、T-スクェア(デビュー時はザ・スクェア)やカシオペアの兄貴分にあたる老舗のバンドだ。
本作は77年に発表したデビュー作の復刻だけど、ボーナス・トラックが3曲追加されていて、さらに16chのマルチテープから新たにミックスした5.1chサラウンド・ミックス盤になっており、そのあたりの付加価値も絶大。ボーナス・トラックは<8><9><10>。<8>はファースト・シングルのカップリング曲で、これが初CD化。<9><10>は別テイク。その後、メンバーの曲も演奏するようになったプリズムだが、このデビュー作では、全曲和田アキラのオリジナルを演奏している。前半4曲はポップ、後半はハードな感触の演奏になっていて、硬軟取り混ぜたこのふたつの要素がプリズムの魅力といっていい。
後半の泣きのギター、速弾きギターを聴いていると、ついアル・ディメオラを思い出してしまう。当時和田アキラがいかにディメオラに傾倒していたか、この演奏からもよくわかる。(市川正二)