内容・星五つ、装丁・星一つ
★★★★★
病(やまい)が治るとは、治療を加えるという外からの働きかけだけではなく、内面(精神)も重要な役割を果たしているということを解り易く書いています。
本は最高、しかし装丁と内容との違和感が大です。ラットから得られたデータなども基にして書いており、データの裏づけがない思い込みやいわゆる神秘主義で書かれたものではありません。池見先生の名があったので手に取って見ましたが、表紙だけを見た人は違う分野の本と勘違いするかもしれません。誤解を恐れず敢えて言わせてもらえば、装丁者は内容を読まずに題名からイメージを作ったか、読んだとしたら理解せずに自分勝手な先入観で作ったモノを表現したとしか思えません。ちなみに原書の表紙はなんとなく内容が伝わるようなものでした。
本としては近年稀にみるコストパフォーマンスだっただけに残念です。
意外に
★★★★☆
まともな本なのでびっくりした。
人間の自然治癒力についての実例を挙げてある本で、その重要性を力説している。この手の本には、「だから現代医学は不要だ」という結論に走りがちのものが多いのだが、本書の立場は、この治癒力を科学的に研究すべきである、そして現在の医療の中に積極的に生かしていくべきである、という穏当なものだ。そして、現在それを売り物にしている施設についても、必ずしも高い評価を与えていないことも、著者の立場が公平であることを示唆している。
薦められて読んだのだが、わたくしが他人に勧めようとは思わないまでも、一読して損はない好著である。
こころと免疫力
★★★★☆
人が持つ免疫力とこころの関係をデータや実際にあったエピソードが交えて書かれている。ストレスが病気の要因となるのならストレスとは逆の位置にあるリラックスが病気を治す力を持つのは考えられることだと思う。こうすれば心によいという実践的な方法は読み取れなかったが西洋医学に限界を感じ始めた今の時代に精神的な方面に目を向けるのは正しいことではないかと思う。