鬼畜に彩られた問題作『やっちゃえ!千波ちゃん』の1話から4話までを収録。上下巻分刊を許せる方へのお薦めです。
★★★★☆
★4の中ギリ。
3冊目と同時発売の著者の2冊目。
加筆はあるものの、上下巻、全作品同人誌からの再録です。
明るくて前向きな、ごく普通のランドセル少女である『千波ちゃん』。
そんな彼女にも大好きな男の子がいたりする。
でも世の中はままならない。
おこちゃま故の無知から、汚れ人生の大過にとことん巻き込まれてゆく千波ちゃん。
ポジティブすぎる少女の想いがさらなる堕落に拍車をかける。
描き下ろし含め総232頁で描かれた問題作『やっちゃえ!千波ちゃん』の1話から4話までを収録。
ほか、悪くはないけど1冊目『ひとりぼっちのお留守番』の平均レベルに比べたら明らかに落ちる『狼の眉毛』『スクール水着からの贈り物』というファンタジーノリの短編2編も収録。
カバー内にも漫画アリ。
232頁というのは無理すれば一冊にまとめられた頁数だと思うのですが、片手持ちの本としては分厚すぎることもあり、個人的には残念だけど仕方が無いかなという気もします。
ストーリー系の物語が2冊に跨ってしまったため単独での購入だったらお薦めできません。
類い稀な少女の脳天気な明るさと湧き溢れてしまうエロ心が思いっきり鬼畜な展開の緩和剤になっていますが、想い人である少年への律儀でシリアスな恋心も充分詰め込まれているため、痛み成分もカナリ強いです。
鬼畜系が苦手なら手を出さないで欲しいです。
『やっちゃえ!千波ちゃん』は素晴らしいデキなのでファンの方へならお薦めできますが、抱き合わせた短編のレベルを考えると、どう考えても1冊目の方が上なので著者の作品を未読な方にはお薦めしにくいです。
下巻の表紙を見て引いちゃった方も諦めましょう。
上下巻分刊を許せる方へのお薦めです。