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江戸時代のロビンソン―七つの漂流譚 (新潮文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:岩尾竜太郎/著 出版社名:新潮社 シリーズ名:新潮文庫 い-96-1 発行年月:2009年10月 関連キーワード:エド ジダイ ノ ロビンソン ナナツ ノ ヒヨウリユウタン シンチヨウ ブンコ イ-96-1 えど じだい の ろびんそん ななつ の ひようりゆうたん しんちよう ぶんこ い-96-1、 シンチヨウシヤ シンチヨウシヤ 3162 しんちようしや しんちようしや 3162、 シンチヨウシヤ シンチヨウシヤ 3162 しんちようしや しんちようしや 3162 大黒屋光太夫、土佐の長平、尾張の重吉-鎖国下の江戸時代に不慮の海難事故に遭って漂流しながら、旺盛な生命力で、奇跡の生還を果たした船乗りたちがいる。『ロビンソン・クルーソー』研究で知られる著者が、彼らの肉声をもとにした詳細な記録を読み解き、それら漂流譚から七人を選んで、江戸時代の漂流者たちの壮絶なサバイバル物語と異文化体験を紹介する。付・江戸時代漂流年表
日英の比較の視点 ★★★★☆
 2006年に弦書房から出た単行本の文庫化。
 著者はもともと英文学が専門で、本家の『ロビンソン・クルーソー』や、そこから派生した類話を研究していた人物。関連の著作も多く、私も『ロビンソン変形譚小史』(みすず書房,2000年)など何冊か読んだことがあるが、優れた研究であった。
 イギリス研究者が年齢を重ねると日本のことに手を出し始めるケースは少なくなく、読む前は不安もあったのだが、きちんとした研究に仕上がっており、安心した。
 内容は、江戸時代の7つの漂流譚を取り上げ、分析したもの。原典を読み込み、分類して、客観的に評価していく点に文学研究者としての矜持が感じられた。なかでも日英の比較の部分が素晴らしい。日本の漂流譚だけを見た研究では分からないような点がいくつも解き明かされており、興味深い。
 ここからまたイギリスの話に戻れば、また得るものがあるのではないか。日英の両面を視野に起きつつ活躍して欲しいものだ。
日本人がほんらいもっていた、驚くべきサバイバル能力に大興奮!! ★★★★★
 日本にもロビンソンが存在したのだ。それも本家本元・英国のロビンソン・クルーソーよりもはるかにすごい、すさまじいまでの漂流とサバイバル生還をやってのけた日本人たちが!!
 南海の孤島、鳥島(とりしま)に、なんと22年間(!)も生き抜いた男がいた。考えるだけでも気が遠くなるような年月ではないか!
 鳥島はかつてアホウドリの宝庫であった。漂流民たちはアホウドリを捕獲して、食いつないで生き抜いたのだ! 渡り鳥アホウドリの肉は干し肉にして保存し、雨水で渇きを癒し、アホウドリの羽衣も身にまとって・・・
漂流者は、そして漂流者たちは、どうやって日本に生還したのか。それは本書を読んで直接確かめてほしい。
このほかにも、鳥島への「無人島への漂流&サバイバル」記録が3話、「異国への漂流&生還」記録が4話、あわせて7話の漂流記録が本書で紹介されている。

 これらの記録を読めば、日本人がほんらいもっていた、驚くべきサバイバル能力に感嘆、感動せざるをえない。海洋民族である日本人のサバイバル本能は、DNAとして間違いなくわれわれのうちにも存在する。いまはまだ、DNA が ON になっていない状態、スイッチが入ってないだけなのだ。
 「100年に1回」かどうかは知らないが、日本人は有史以来、とてつもない危機を何度も何度も切り抜けて生き抜いてきたからこそ、現在も生き残っているのだ。この事実をあらためて再確認する機会となる。

 著者はあとがきでいう。「国家の枠組みを外れ、生身の人間として、厳しい自然と向き合い、またあるいは異境の人々と交わり脱出路を切り開かねばならなかった漂流民たちに学ぶべき点は多い」。
「国家の枠組みを外れ、リアルな生と向き合っている漂流民たちのサバイバルな姿こそが普遍的なのだ。・(中略)・彼らが出会うのは、やわなナチュラリストが想定する自然を遙かに超えた激烈な現実である。しかしその極限の姿においてこそむしろ、普通には見えにくくなっている人間が生きる原点が示されている」。

 本書では、漂流者たちの肉声を活かすために、著者は原文そのままを掲載している。正直いって漢字の多い古文なので読みにくい。全部読むと面白いのだが、せめて第2章の「無人島漂着編」だけでも、じっくり読んこんでみてほしいと思う。
 すさまじいまでのサバイバルには、ほとんど感動すら覚えるはずだ。泣き言クチにするのはもうやめようではないか。どんな環境になろうと、生き抜くしかないのだ。
 そんな気持ちにさせられる。

 本当に興奮する内容の本だ。
大学の叢書といった趣の本 ★★★☆☆
七つの漂流譚というサブ・タイトルに惹かれて購入して一気に読了しました。冒険・旅行モノに目がないからです。しかし、260pあまりの本の内、序章が60pもあるので、早く漂流譚を読みたいというはやる気持ちを抑えるのに苦労しました。寧ろ、航海術の衰退をもたらした徳川政権の政策を書いた最初の論文部分と後半の漂流譚を分けた方が良いのではと感じましたが、そもそもこの本の出目が学術論文であると著者の後書きにあり納得しました。その上でですが、数少ない漂流譚を学術的に調査研考したことは非常に意味のあることと思います。しかし、それをマルクス史観的に解釈することは専門家の間で異議があるのではないでしょうか。文庫ではなく、著者の本格論文を読んでみたい気になりました。また、ロビンソン的、ガリバー的という言葉が頻繁に出てきましたが、よく理解できませんでした。漂流譚部分を先に読み、ついで序章を読まれるのが一般の読者にはとっつき易いかもしれません。

江戸の実相に迫る ★★★★☆
 江戸時代の鎖国・海禁政策にあって、日本人は直接海外に行くことは禁じられた。しかし船の難破等によって意図せずして異国の地に流れ着いた人は少なくなかった。そのまま命を失い、記録に残らなかった人も多かろうが、苦難の末に帰国を果たした人々もいた。 
 本書はそんな「江戸のロビンソン」たちの漂流記を集めたものである。
 比較的よく知られ、他の本にも出てくる人もあれば、ほとんど見ることのない名前もある。彼らの苦難は伝えられるべきであるし、国内および国外に足跡を残し、近代化や開国につながる種を播いた人もいる。江戸に対する理解を改め、深めさせるものといえよう。
歴史の実態を知る ★★★★☆
沿岸伝いの航海しかしていなかった江戸時代の劣等航海術の日本民族の悲劇でもある。鎖国政策とも絡んで隠されたこの種の史実は歴史の実態を知る上で大変に役に立ち、興味深い。
あほう鳥の羽根で作った着物などは、羽衣伝説を想いださせた。

英米露などに救出された場合と、南洋諸島に漂着した場合の格差、サバイバルの工夫など大変に有益な書物である。

日本人の書きたがらない江戸、明治初期の混浴の習慣などの外国人の記録を集めた、渡辺京二「逝きし世の面影」などと併読すると良い。
支配者側から見た歴史とは違った角度からの歴史の理解ができる。