さすがの完成度
★★★★★
初の長編「わすれな」ついに完結。最後の妊娠状態のセックス描写はさすがに抵抗があったけど、キワモノ男が登場しない分今までのゼロ作品の中でいちばん読みやすかった。相変わらず汗・愛液・精液まみれの肉感的セックスを描かせたらこの人の右に出るものはないなと再認識。この作品のポイントはあくまで主人公の兄妹が゙義理の兄妹"だということ。血の繋がりのある肉親同士だと、遺伝子の関係上奇形児が生まれる可能性が高くて子供を不幸にするという現実的な失望感を読者に与えてしまう。本作はその点安心してひとつの純愛ものとして読めた。この漫画家が惜しいのは男性器の描写が曖昧なところ。ハッキリ描くようになればもはや敵なしだと思う。
登場人物わずか2名の『二人だけの世界』の完結編な13冊目の通常版。愛するが故の紆余曲折。兄と妹の禁断の恋の成れの果てにあるものは? エロはギュウギュウ詰めだけど、それ以上にシリアスな想いが素晴らしすぎる一冊。この巻からの購入ならお勧めできません。
★★★★★
★5(全2巻の総合評価も★5)。
表題作長編『わすれな』の完結編な第2巻の通常版は、著者の13冊目であるハイグレード版の紙質を一水社通常スタイルのものに戻して表紙をすげ替えたもので、巻頭カラー4頁はそのままです。
作品の内容的なことは既にハイグレード版の方に書きましたので割愛させていただきますが、実の兄妹のキモチがてんこ盛りのステキなエロドラマでした。
特に現代編へ戻ってからの終盤のドラマはステキすぎて、読後素直に、「この二人がいつまでも手をとり合って微笑みを絶やさずいてほしい」と心から思えた作品ですが、今回は先にハイグレード版を手にとってしまっているため印刷の美しさという点で通常版は単に本棚の飾りで終わりそうな気も個人的にはしています。
紙質優先の方ならすでにハイグレード版を手にされていることと思いますし、前作を通常版で購入されて満足された方なら文句なしでお薦めですので、著者未体験で購入を迷っている方へひと言。全2巻読まないとストーリー的な満足度はほとんど薄いと思われますので、よほど兄妹ものにこだわりがない限りは8冊目『イクまで犯してみる?』あるいは9冊目『犯りたい気分』あたりの短編集からトライしてみるのが無難だと思います。
表紙でもある程度想像できると思いますが、光のあるどんぐり猫眼にブヨブヨ寸前のはち切れそうな軟体ボディーが特徴ですので苦手な方は注意してくださいませ。
ハイグレード版は絵が抜群に映える紙質ですが、特にこだわらないならこっちをお薦め。
エロと愛が洪水状態な読後感抜群の感動系メロ(エロ)ドラマです。
余談かもしれませんが、作画とドラマのバランスが抜群になってきてスタイルが確立された7冊目『全身粘膜少女』以降の全作品集について、個人的にはハイグレード版化希望です。