妄想の原点
★☆☆☆☆
アメリカ名誉勲章受賞や、宇宙飛行士候補という妄想
(実際には候補でもないし、受賞もしてない)
にとりつかれた妄想人の、全ての原点がこの本です。
タイムマシン=妄想
なんかしっくりくる。
科学をも凌駕するフィクションの金字塔
★☆☆☆☆
本作品はトルコではほとんど相手にされなかったコメディアン、セルカン氏が、得意のフィクションとハッタリで日本で立身出世するまでを描いた壮大なスペクタクルである。
サイエンスの部分は他の文献からのコピー&ペーストと言っても過言ではないものばかりであり、彼のオリジナリティはほとんど垣間見られない。しかし、彼のジョークを真に受けた日本の一流研究機関である東京大学、JAXAが存在する以上、彼のプレゼンテーション技法から日本人が学ぶべき点は非常に多い。
氏のジョークは「ほら吹き男爵の再来」と言われるほど滑稽だがベタであったにもかかわらず、冗談の度が過ぎて、トルコ政府、NASA、JAXAを巻き込む騒動に発展し、朝日新聞でも取り上げられたほどである。
この壮大な物語の顛末はいかに。そして、本書最大の謎、本当にタイムマシンを利用したかったのは幼少時の氏か、それともすさんでしまって現実逃避したい現在の氏か。その点に関しては、賢明な読者の皆さんには自明であろう。
大変よくできたフィクションであるが、サイエンスに関わる部分は他書の受け売りであること、また、在籍研究室である東京大学の研究室のサイトから彼のエントリーは削除されつつあり作者本人とコンタクトがとりにくいことを鑑み、次作へのさらなる期待の意味もこめて星一つとした。
アニリール・セルカン氏、経歴詐称?業績捏造?
★☆☆☆☆
著者アニリール・セルカン氏については、
様々な疑惑があがっているようです。
http://blog.goo.ne.jp/11jigen/
例えば、同氏のその他の著書である、
「宇宙エレベータ」や「ポケットの中の宇宙」については、多数の盗用画像が掲載されています。
経歴詐称
★☆☆☆☆
この本の購入を検討している方は、著者の経歴についての下記の記事を必ず参照して下さい。
日経ネット2009.11.09「東大の30代男性助教、業績論文の存在確認できず 不正の疑い」
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091109AT3K0900H09112009.html
記事では「疑い」とありますが、鹿島建設社員である私自身が確信を持ってお話できるのは、著者の経歴(下記参照)
http://www.suku-noppo.jp/onigiri/sanka.html
にある2000年の鹿島建設に関する経歴は明白な虚偽である、ということです。
鹿島建設には宇宙開発設計部なる部署は過去も現在も存在していないし、当時27歳の著者が部長職に就くことなどありえないからです。
まさに青春
★★★★☆
タイムマシンを作るために、仲間や親、近くの大学の研究者まで巻き込んでいくスト―リは読んでいて痛快である。
まずタイムマシンを作ろうと考えたのも凄いが、材料集めや専門家に話を聞きに行ったりする子供たちや親たちの行動力に驚かされる。
本当の夢を持っている子どもと、自分たちの子供のために本気で協力できる親は現代の日本にどれぐらいいるだろうか?
主人公である著者は異例の建築学専攻から宇宙飛行士候補生に選ばれたらしいが、その話もこの行動力と信念を曲げない強さを見れば頷ける。