切手というキャンバスで磨かれる芸術
★★★★★
切手という僅か数cm四方に込められる芸術。
日本の切手の制作には高質な印刷技術の粋が集められ、世界的にも評価が高いという。
本書ではその切手に込められるデザインのレイアウトの秘密や製版が難しく特殊な
印刷とされる凹版印刷に研ぎ澄まされる匠の技が紹介されます。
デザイン→原版制作→印刷と書いてしまえば簡単ですが、それぞれの担当に凝縮された
技術の専門性と芸術性を、切手が出来上がるまでを順に実際の制作現場や工程の方々
(切手デザイナー、国立印刷局での原版制作、インキ発色の調整、品質管理)の声を
拾いながら追うことで、切手の魅力に迫ります。
巻末の「達人のことば」では、切手の博物館学芸員の田辺氏が切手収集の歴史と
魅力について、世界的な流れと情報伝達という視点から語られています。