最高の「葬送」!!!!!
★★★★★
アルカディ・ヴォロドスのCDは今回が初めての購入でしたが、噂以上のピアニストです。このアルバムの選曲もタダモノではありませんが、演奏も圧倒的です。打鍵を含むコントロールの余裕が演奏技巧的に優れているだけではなく、曲の分析が大胆かつ超繊細。「葬送」が良い例で、技巧的に抑制のとれた表現が何とも知的です。『詩的で宗教的な調べ』の全10曲録音をしているアルドー・チッコリーニの録音もなかなかだと思っていましたが、ヴォロドスの演奏を聴いてしまうと、チッコリーニの「葬送」が単に一生懸命弾いているだけに聴こえてしまいます。憤激と激しさで確かに男くさい「葬送」ですが、ヴォロドスのこの録音を効いて、極めてロマンチックでありながら、ある意味ゆがんだ愛情表現が込められた作品であることを初めて認識しました。(<初版副題>疑惑の正当性が音楽的に証明されているではないか!)ソコロフとは違ってヴォロドスは日本盤が発売されているからいいですね。