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組織自律力―マネジメント像の転換

価格: ¥3,024
カテゴリ: 単行本
ブランド: 慶應義塾大学出版会
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どこがマネジメント論の転換なのか? ★★★★★
 経済産業大臣が心配するほど、ソニーの経営状況は芳しくないようである。おなじくカリスマ経営者に率いられた組織、たとえば日産も同じような状況にあるという。このような組織に必要なのは、新たなカリスマ経営者であろうか。
 この本の筆者であれば、おそらくNOと答えるであろう。人は危機的状況に陥ったとき、人智を超えたものにすがろうとする。そのため、カリスマ経営者は組織としていくべき方向、やるべきことを指示することが期待される。神のように。しかし、神ではない人間にそのような能力がはたしてあるのであろうか。
 これまでマネジメント論の多くは「何をすべきか」を語ってきた。しかし、この本では「問題にどのように取り組むべきか」が語られる。組織メンバーひとりひとりがもつ叡智を紡ぎ、問題を解決する方法が示されている。最近、マネジメントの世界でも「創発」が話題になっているが、まさにこの創発が組織のなかで起きることを筆者は想定しているのではないだろうか。
 偉大な経営者のもとで働くことに慣れ、自ら進んで考え行動できなくなってしまった組織にとっての処方箋として、この本は役立つように思う。さらに、創発現象を喚起し同時にマネジメントすることによって、イノベーションをどのように誕生させるかというヒントもあるように思う。
 そして、創発にはなによりも、自律し活性化した人間が必要であることが、この本の出発点となっている。