とは言え本作は、ほぼ全編とおして陽気なアルバムであり、煙ったいVIPルームよりも満員のクラブの方がよく似合う。とりわけ「On Top」「Somebody Told Me」「Mr Brightside」は、息をのむインディー・ポップの絶好の見本だ。愛にときめく鼓動のように疾走しながら、フロントマンのブランドン・フラワーズが閉所恐怖症になりそうなディスコ・フロアで息を弾ませている。本作でキラーズが全力を尽くしているのはまちがいない。バンドのスタイルとは異なる曲にさえ、素晴らしいアイディアを取り入れているのだ。そのいい例が、「All These Things I've Done」で「おれにはソウルがある/でも、おれはソウルジャー(兵隊)じゃない」と繰り返し叫ぶフラワーズとかけあうゴスペルの合唱や、ブロードウェイ・ミュージカルのクロージング・ナンバーのような興奮と風格を持った自意識過剰なまでに壮大な「Indie Rock'n'Roll」だ。(Louis Pattison, Amazon.co.uk)